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ボロボロボロ信号~怖い~(大地震,津波)緊急警報放送(EWS)の信号解読

民放テレビ全滅!!!緊急警報放送の発信元がこれじゃ~ダメポ。。。
2011.3.14 東北地方太平洋沖地震

YouTubeに大変興味深い動画がアップされた。

2011年3月11日14時46分の東北地方太平洋沖地震発生直後のテレビ放送各局

日本でマスメディアとして機能しているのはNHKだけのようです。

何これ?マジかよ??民放何やってんの??それにしてもNHKは早かった。

民放は、速報後にCMや通常番組を流すなんてちょっとまずいんじゃない??視聴者を油断させてしまい、まったく注意喚起になっていない。これって、見方によれば大きな罪だ。

第2種開始信号(津波警報)の送出が、最速のNHK(この動画では3:33)より、民放は、1~2分遅れだ。フジテレビは、なんと、3分遅れ(この動画では6:35頃)でやっとテロップ表示。それも、民放の信号がかなり短い(約5秒)。信号第2種開始信号(津波警報)は、確実性を期すため3回ほど繰り返し、送出時間が約15秒以上になるはずだ。それに、何局かはテロップの表示のみで、音声信号が出てないように思える。これらって放送事故クラス?

ちなみに、「緊急地震速報」の送出が、全国放送であるNHKのみだった理由は、動画のアップ主によると、他局は関東の民放局なので、当日の予想である震度4では送出されないとのことです。

このサイトのテーマであるボロボロ信号の「緊急警報放送(EWS)」と、最近話題の「緊急地震速報」とはまったく別物です。前者の信号はデータ通信信号です。後者の「チャリン・チャリン」「ポロロン・ポロロン」は、誰かが作曲したチャイムで、情報は変調されていません。もっとも、前者の緊急警報放送は、今や誰も見向きもしてくれませんが...

数年前、緊急警報放送受信機を設計した時、迷わずNHKを信号元に選んだが、やっぱり間違ってなかった。神戸の大震災の時も、民放局がオロオロ動転してしまい、信号を送出できなかったという噂があったが、やっぱり日本のメディアで機能しているのはNHKだけ...

ボロボロボロ信号って?~緊急警報放送

  

突然、テレビやラジオから、「ボロボロボロ」「ピロピロピロ」と何とも言えない不気味な音が鳴ることがある。こういう音です。

大地震や大規模災害、津波警報が発令された時、テレビやラジオから送出される緊急警報信号のことである。
実際の本番では「ボロロロロロロロロロロロロロロロロロッロロロロロロロロッロロロロロロロロッロロロロロロロロロロロロロッ」って感じに、身の毛もよだつほど長い時間流される。一人で夜中に聞くと、泣き出したくなるほど怖い。

(((( ;゜Д゜)))カ゛クカ゛クフ゛ルフ゛ル

平成16年(2004年)9月6日東海道沖地震 NHK総合テレビ 第2種開始信号(津波警報)
WAV音声ファイル約0.5MB

試験信号は、民放は、日曜の深夜(月曜の早朝)などの放送終了時、NHKは毎月1日のお昼前、午前11時59分から放送される。試験信号は、短く4回ほど鳴らされるが、何とも言えない不気味なテロップと相まってとても怖いのだ。

NHK大阪第1放送(JOBK 666KHz)の試験信号放送~緊急警報放送~2005.12.01:11:59
WAV音声ファイル約1MB

(↑画面はNHK総合テレビのテロップ)

緊急警報放送(EWS)

緊急警報放送は、緊急警報放送システム EWS(Emergency Warning System)と呼ばれている。「緊警」「キンケイ」「緊急警戒放送」「緊急警戒信号」などと呼ばれることもある。
大規模地震の警戒宣言、津波警報、自治体からの放送要請等で放送される。
「ピロピロ」「ボロボロ」と緊急警報信号を送出し、緊急警報受信機を自動的に作動させて、災害等の放送を聴けるようにするシステムである。日本独自のシステムで、1985年9月1日から現在も稼働している。試験信号は、各放送局が月に1回定期的に放送しているが、本番は、上記に載せたように、2004年9月6日の東海道沖地震による津波警報がある。

緊急警報受信機は、1985年の稼働以来、松下(Panasonic)やソニー(SONY)など各メーカから製品として発売されていたが、パナソニック3バンドラジオ(緊急警報放送対応ラジオ)(RF-U99)が2004年12月末で販売完了したのを最後に市販品は皆無になってしまった。

緊急警報放送対応のメーカ製ラジオは、PANASONIC パナソニックの
RF-U350-S の1台のみになってしまった。寂しい...

そこで当社では、EWS緊急警報デコーダシステムの試作開発を行っている。
そこらへんにあるラジオかテレビの音声端子に接続しておくと、緊急警報放送を受信すると自動的にその内容を表示しながら放送が聞けるようになるしくみだ。信号解読と各種制御はマイコンで行っているので、電灯を点ける、ファンヒータのの電源を切る、サイレンを鳴らす...など、数多くの安全、災害防止の為の応用が可能だ。間もなく完成の予定。

緊急警報信号の正体は?

「ピロピロ」「ボロボロ」という音は、テキトーでいい加減に流しているようだが、実は法令で定められた厳密なデータ放送なのだ。NHKが中心になって開発されたようだ。

「ピロピロ」「ボロボロ」と鳴るわけは、ボーレートが64BPS(1秒間に64ビットの速度で送出)。ビット”1”が1024Hz、ビット”0”が640Hzの可聴信号で変調されたFSK(周波数シフトキーイング)方式の信号である。その信号に、津波か大規模地震か、地域、年月日時などの情報を、5~16ビットのビット列で組み合わせ、1セット約200ビット程度のブロックに構成して、放送の時はそれを4ブロックくらい繰り返す。アマチュア無線や、昔の通信社ニュース、大使館-本国の短波通信でRTTY(ラジオ・テレタイプ)があるが、そのデータ通信と似たようなもんだ。可聴信号を組み合わせているのは、データ放送だけでなく、人間の耳にも聞こえることにより”警報音”的役割も狙っているのだろう。狙いはドンピシャとはまって余りある。鳥肌が立つどころか、大の大人が泣き出したくなるような恐怖感を与える(^^;;;

 

緊急警報信号を目で見ると...

の図は、NHKの試験信号放送の音声信号を測定して、信号の分布を視覚的に表示したものだ。(FFT(高速フーリエ変換)という処理をVC++で作ったソフト)
左から右へ時間が流れ、音声信号は下から上へ行くほど高い周波数になる。色は信号の強度をあらしている。

画面の左の右の端の信号はNHKアナウンサーの声。
中程に4回等間隔に見えるのが緊急警報信号の終了信号。終了信号は、ビット列が100ビットで約1.5秒で送出する。終了信号は試験信号を兼ねている。約1秒強の間隔を置いて4回繰り返している。
よく見ると、1024Hz(ビット1)640Hz(ビット0)の信号であるのがわかる。それより下に広く分布している信号はラジオの受信ノイズと、ICレコーダのノイズと思われる。また高い周波数では、わずかに信号の高調波が見える。
これが、身の毛もよだつ、ボロボロ信号の正体だ。

NHK大阪第1放送(JOBK 666KHz)の試験信号放送~緊急警報放送~WAV音声ファイル約0.5MB

平成16年(2004年)9月6日東海道沖地震 NHK総合テレビ 第2種開始信号(津波警報告
WAV音声ファイル約0.5MB

 

実際に放送される緊急警報信号の内容

 

緊急警報信号発生装置の規格

デジタル信号の形式 2値NRZ(Non-Return to Zero)によるFSK信号
伝送速度 64ビット/秒 (許容偏差±10ppm以内)
FSK信号の周波数 マーク”1” 1,024Hz
スペース”0” 640Hz
(周波数の許容偏差±10ppm以内)
FSK信号の位相 周波数変化時における位相は連続
FSK信号の歪率 5%以内

 

緊急警報信号の種類は以下の3種類がある。

緊急警報信号

使用される時

第1種開始信号 ・大規模地震屋災害により警戒宣言が発せられたとき
・地方自治体(知事)からの放送の要請があったとき
第2種開始信号 ・津波警報が発せられたとき
終了信号 ・開始信号を放送したあと(約15分くらい後に放送)
※実際はバラバラ
・試験信号として放送

 

第1種・第2開始信号

無信号期間 1秒以上
前置符号 4ビット  
固定符号 ※第1種と第2種を区別 16ビット 1ブロック(6語)
96ビット(1.5秒)
地域区分符号 16ビット
固定符号 ※第1種と第2種を区別 16ビット
月日区分符号 16ビット
固定符号 ※第1種と第2種を区別 16ビット
年時区分符号 16ビット

※開始信号は上記ののブロックを、中波・短波放送の場合は10ブロック以上繰り返す。FM、テレビその他は4ブロック以上繰り返す。

終 了 信 号

無信号期間   1秒以上
前置符号 4ビット

1ブロック
前置4ビット+
96ビット(1.5秒)+
無信号92ビット分=
192ビット

固定符号 16ビット
地域区分符号 16ビット
固定符号 16ビット
月日区分符号 16ビット
固定符号 16ビット
年時区分符号 16ビット
無信号期間 92ビット分(約1.43秒)

※終了信号は上記ののブロックを、中波・短波放送の場合は4ブロック以上繰り返す。FM、テレビその他は2ブロック以上繰り返す。(試験放送も同じ)

 EWS緊急警報信号の符号の規格
※諸事情に配慮して公開を停止します。パソコンで動作する解析ソフトとして近日公開します。  

EWS緊急警報放送の今後は?

その昔、無線オタクだった頃(今もですが)、RTTY(ラジオ・テレタイプ)デコーダ(復調機)に、短波受信機をつないで、中国の新華社通信や、ソ連のタス通信、日本の共同通信、時事通信などの英語ニュースをモニターに映し出しては喜んでいた。当時はインターネットなんて知るよしもなく、TVやラジオ、新聞よりも断然速く世界のトップニュースをキャッチすることができてご満悦の日々だった。無線通信の宿命である電波伝搬上の影響による文字化けなどはご愛敬だった。

ある夜、友人が泊まりにやって来た時、いつもの通り、タス通信のニュースを受信していたところ、突然モニターに「ZCZC TASS ......プレジデント マスター ブレジネフ ダイド...NNNN(英文で書けません。すみません)」と英語で打ってきた。「ブレジネフ大統領死去」のニュースだ。日本でニュースになったのは何時間後だったか忘れたが、重大なトップニュースをリアルタイムでかいま見て、友人と二人で震え上がったのを記憶している。その友人は、その夜の出来事がよっぽど強い衝撃だったらしく、何年経っても「あいつの家にはスゴイのがあるで」と言い続けていた。”トラウマ”になったのだろう(笑)

何の話をしているのかわからなくなってきたが...
アナログの時代にEWS緊急警報放送システムが開発されてから現在ももりっぱな現役である。2003年から地上デジタル放送が開始され、2011年から完全にデジタル放送に移行する計画があるが、現在のアナログ緊急警報放送も引き続き運用される。中波(AM)放送は当分廃止されることはないので、今後も大地震や津波などの災害の防止に活躍していくだろう。

「携帯電話があるからそんな”アナログ”で”古いシステム”は無用だ」と言い張る人が多いが、冷静に考えれば携帯電話は”有事”や”非常時”には役に立たないということがすぐ理解できる。「東京、神奈川、静岡沿岸に10m以上の津波が10分後に到達する」となった時、瞬時に、いったい何台のケータイに正しい情報を送信できるだろうか?.....残念ながら現在のシステム、技術ではムリだ。

一方電波による放送は、原理上一方的に情報を送り付けるものなので、受信側が準備していれば、その数に制限は無い。特にNHKは、最も、安定かつ強力で広範囲な放送網を有しており、これを災害防止に活用しない手は無い。第一お金がかからない。人工衛星(気象衛星ひまわりなど)経由で地震・津波情報を受信して、自治体経由で住民に個別受信機などで危険を知らせる。なんて、非常にカッコイイシステム(非常に高そう)もあるらしいが、経由しているどこか一箇所でも”プッツン”となったらどうなるのだろう??
”システム”を、高機能に、複雑に、高価にしていくことの”恐さ”を実感する今日この頃である。
(kazu)

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