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ハードディスク..無情のクラッシュ~瞬電が致命傷..トホホ~

われわれが持っている、ハードディスクの常識に誤りがありました。
ハードディスク関係の仕事をしているkenが、正しい情報を書いてくれました。私のようなトホホのトラブルを招かない為に一度ご覧下さい。 ※kenは著名なHDDメーカの一線の技術者です。どうか安心してお読み下さい。

■あなたの知らない世界~ハードディスクのホントの常識・非常識 – 知的電子実験

因果な商売—–>コンピュータ技術者

一般世間の誰もがウキウキ、ワクワクするGW(誰が名付けたかゴールデン・ウィーク)前。4月下旬...

1本の電話で私のGWは吹っ飛んでしまった。マジっす。

仕事のパートナーの後輩が、なさけない声で「PCが起動しません...(T_T)」と...
GW前にリリースする予定のソフトウェアが吹っ飛んでしまった。VisualBasicのプロジェクトごと、最新のプログラムコードが消失したのである。

早速後輩のいる神戸へ急行する。
現場に到着すると、PC本体から、なさけなくバラされたハードディスクが横たわっていた。

2人がかりで、コンピュータ技術者として、最大限の知識を導入して(^^;;あらゆる手法を試してみたが、全く反応が無い。

BIOSがハードディスクを認識しないのだ。

現存するバックアップデータに戻すと、後輩が仕上げた10日分くらいのプログラムコードが消えてしまうことになる。

トラブルの状況を整理してみる。
●プログラム開発作業中(PC使用中)に突然30秒ほど停電した。
●その直後からPC(Windows2000Pro)が起動しなくなった。
●その数日前にも作業中に停電になったがそのときは何もなかった
●(後輩が)昔の経験を活かしてハードディスクを分解修理をしようしたがネジが開かない(^^;;;
●ディスクが回転していない(ようだ)。2人で意見が割れた

結局状況は改善せず、現物を預かり、会社でも修復を試みることにする。
トホホの気分で阪神電車に乗り込んだ。ファミリー客で混んでいた。「今脱線すると助からんやろなあ...」と思いながら。

週明けにJR福知山線で大事故が発生した。

↑神戸から持ち帰ったハードディスク

2004年夏の購入なのでまだ新しい。のにっ!!

磁気ディスク・サルベージ会社

神戸から会社に持ち帰ってあらゆる修復を試みるが、無情にも全く反応が無い。
この時点で、ハードディスクの修復と併行して、バックアップ時点からプログラムの再開発を行うことにする。大変空しい作業ではあるが...
私も画面フォームの作成を請け負うことにする。この時点で、GWの半分が仕事で埋まる。トホホ

最後の砦として、ディスク・サルベージ(データ復旧)会社に持ち込むことにする。
初めての経験なのでネットで詳しく調べてみる。

それにしてもケッコーなお値段だ。
●われわれ一般のコンピュータ技術者でもできそうな修復作業が、数万円~十数万円
●円盤が回転しないとか、分解が必要で、専門の機材が必要な修復作業になると60万円以上
すごいですねえ。ったく。

大阪にある良心的な?価格体系を提示している会社に行ってみた。
大阪市内のテナントビルの一室にある会社だ。担当者に30分ほど話が聞けた。

われわれが持っている、ハードディスクの常識に誤りがありました。
ハードディスク関係の仕事をしているkenが、正しい情報を書いてくれました。私のようなトホホのトラブルを招かない為に一度ご覧下さい。 ※kenは著名なHDDメーカの一線の技術者です。どうか安心してお読み下さい。

■あなたの知らない世界~ハードディスクのホントの常識・非常識 – 知的電子実験

「以下抹消」

●最近のディスクは、突然の電源断に弱い
~これはチマタの常識を覆す話だ。「最近のディスクは、突然の電源断にも、残留電力でヘッドを安全な位置に引いてくれる」だったはずだが、担当者は、「昔のはそうだったが最近のは特に悪い」とのことだ
~だから大事なPCにはUPS(無停電源装置)が必須だということだ。やっぱハードディスクはデリケートな機器なのだ。画面がフリーズしても気軽に「電源ブチッ」っていうのは御法度なのだ。

「抹消ここまで」

●ハード(基板など)故障の場合は修復に日数がかかる
~原因が基板などのハードに起因する場合、サルベージ会社は同品番の基板を探し回るらしい。
~見つからなければそれで終わり。見つかったら、基板代として1万円くらい加算されて、データの修復がはじまる。そこで失敗の可能性もある。

●どうしても、何が何でも、というスペシャルコースはアメリカ送り
~「なんや~結局アメリカかよお~」と言いたくなるが、大手のサルベージ会社はこの手合いが多いらしい。
~アメリカの専門会社(ハードディスクメーカ?)に送って、最新技術、最新機材で修復してくれるらしい。
~ただし、納期は1ヶ月以上。緊急修復は不可能だ。それに修復費用が、なんと、ロク..60万円からだと...ウチのプログラムコードにそんな値打ちはゴザイマセン(^^;;;

結局持ってきたハードディスクをカバンに入れて退散した。

GW・・・キャッキャッと楽しむ一般人を尻目にプログラミングの仕事に勤しむ

(5月13日現在)
2人で協力しながら何とか消失したプログラムコードは作り直した。(ぼくが手伝った分、前より良くなった、と自分では思っている)

得意先に状況説明と理解を得て今後の日程と方針もまとまった(ホッ、やれやれ)

後輩のPCにはUPS(これがOMRON製でお買い得)を装備

データバックアップ体制を強化

というわけで、今回のディスククラッシュ事故は、2人のGWの休日をほとんどつぶして落着となった。

他の記事にも書いているが、この仕事をはじめてから、ユーザデータの消失、破損事故は一度もおこしたことは無い。

しかし、仲間のデータや自分のデータを誤って消したり、コワしたりは何度かある。いずれにしても、やってしまったら絶対元にもどらない。泣いても泣ききれないということである。

それは、忘れたころにやってくる。原因は「油断」である。
油断が油断を呼び、というか悪いことに悪いことが重なり合って、それも見事に。

ユーザのデータは、お金をもらって責任があるから緊張し慎重にやる。自分や仲間のは油断する。この違いが明暗をわけるのだろう。

過去に経験した、データ消失に遭わないためのノウハウを少し。

●メモリーカードのリード/ライト回数は永久では無い
~確か数百万回くらいだったと思う。そのしきい値を超えたメモリーからは、突然のI/O
Error警告を受ける

~大切なデータは、複数のメディアに退避しておくべきでしょう

●ネットーワークドライブには「ごみ箱」は無い
~ディスク・ファイルの整理としょうして、ネットワークドライブ(サーバーなどのフォルダをネットワークドライブとして割り当)にあるフォルダやファイルを気軽に削除してはいけない。

~誤って削除してしまうと元に戻せない。ローカルのディスクのように「ゴミ箱」はありません。

●ディスク破損の病状進行は非常に速い

われわれが持っている、ハードディスクの常識に誤りがありました。
ハードディスク関係の仕事をしているkenが、正しい情報を書いてくれました。私のようなトホホのトラブルを招かない為に一度ご覧下さい。 ※kenは著名なHDDメーカの一線の技術者です。どうか安心してお読み下さい。

■あなたの知らない世界~ハードディスクのホントの常識・非常識 – 知的電子実験

「以下抹消」

●BIOSがHDDを認識しないのはディスク(円盤)の破損が原因(マスター・ブート・レコード?)
~らしいです。
~てっきり、ゲジゲジLSIがついてる基板の故障かと思っていましたが、そうじゃなくて、
~BIOSが起動すると、ディスクから(多分MBRか?(Master
Boot Record))記録してある磁気ディスク装置の型番をREADしてBIOS画面に表示するんだそうです。
~だから、”Disk not detected”(検知できないのよ!)って警告は、ディスクの”円盤”が破損しているか、回転してないか、ヘッドが動かないかということで、「ハード的な故障」ということになります。致命的な重大な故障ということです。
「抹消ここまで」
こういうディスクをサルベージ会社に持って行って修復を頼むと、目玉が飛び出すほどのお値段となるそうです。

~お客さんの大事なデータならともかく、自分たちが休日返上、徹夜、深夜残業..で戻せるなら...それにしてもトホホ。

(後日談)

プログラムのお手伝いをしてからここ最近、プログラミングの創作意欲が湧き続けています。
後輩がくれた”おみやげ”とでもいいましょうか。テンションがあがったまんま。
VB、C、VC++、ASPなんでも来やがれ!!...

(kazu)

radio1ban

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