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探し物~知的電子実験

SONYソニーBCLラジオICF-SW1Sのこだわり~トラウマ~

SONY ICF-SW1S

”とらうま”ラジオ!ソニーICF-SW1S

 バカブッシュのお父さんパパブッシュ大統領時代、湾岸戦争が佳境の頃、NHKテレビニュースで特派員がイラクの隣国で、窓に置いたラジオでイラク情報を収集していた。「なんと!プロの報道記者が、民製のしかもあのSONYのBCLラジオを使っている!」という強烈な印象が脳細胞に焼き付いてしまい、現在でも私の”とらうま”になっている(^^;;;

当時(1990年前半頃か?)、大分市出張でたまたま伊丹空港内の電器店に立ち寄った際、このカセットサイズの高性能?ラジオ「SONY ICFーSW1S」が売られていた。このフェースを見たとたん脳細胞が敏感に反応した。あとは死者の行列のごとくフラフラと(カードで)支払いを済ませて、ラジオ本体に単3電池2本を装填して外箱は週末着で宅急便送りとした。ここからが10年余りにおよぶラジオオタク遍歴の始まりである。

私のラジオオタク遍歴は、SONYのBCL(短波等の放送受信趣味)向けラジオの収集に始まり業務用無線機やアンティークラジオのレストアなど多義に渡る。しかし、コレクター(収集)系マニアではないので現有する機種は少ない。どうしたのかと言われれば、そのほとんどはヤ●オクなどから「嫁入り」した。一応技術者のはしくれなのか、単に飽き性なのか、手に入れて修理などが完了し受信性能など技術的特性が自分なりに”納得”すると、その機種に対して急速に興味が薄れ、金欲の方が勝ってきて結局”嫁入り”となる。でも意外と平均相場以上で売れたりする。これがまた(笑)。その”利益”は大抵次の機種模索の軍資金になったりする。

ラジオにとってそのような厳しい環境下にあっても、1990年に出会って以来、ずっと「王座」の地位(バレリーナの世界ではプリンシパル吉田都さん)を守り続けているのがこのラジオである。現在4台所有している(バラしたままの1台含む)。過去に2台あったがすでにヤ●オク行き。最新のいろんな機種も使ってみた。が、どうもしっくりこない。SSB受信や同期検波、多チャンネルメモリと言われても...どうも私にとっては、このラジオを湾岸戦争取材に持って行っていた記者の画像がトラウマになっているらしい。

これだけ”誉れ高い”ソニーの高性能ラジオ SONY ICF-SW1Sではあるが、実にトホホの”困ったちゃん”がある。今回はそのレポートである。

SONY ICF-SW1Sの使い心地

SONY ICF-SW1S
SONY ICF-SW1S プリアンプ付きの外部アンテナを接続中

 このラジオの性能(機能)はというと意外とノーマルである。
受信範囲は、長波から中波~短波の150KHz~29.995KHz。AMのみとFM放送帯だけ。最新機種のようなSSB/CW受信や同期検波などの機能は無い。メモリも10chだけである。
音は賛否両論あるが結構聞ける音質ではある。受信感度や選択度は優秀である。付属のロッドアンテナで結構聞けたりする。出張や旅のおともには持って来いと思われる。付属品のアクティブアンテナ(外部アンテナ)は、確かに感度は向上するがノイズも向上する。単3乾電池が4本も必要というのはいただけない。結局あってもなくても良い。それにしてもこれだけの性能をカセットサイズに詰め込んで1990年に製品化したソニーの企画力と技術力には頭が下がる。

ICF-SW1Sの困った現象

SONY ICF-SW1S

ツインで並んだSONY ICF-SW1Sラジオ(上の写真)。左が自前で修理したICF-SW1S。右が最近我が家にやって来たトホホのICF-SW1S
トホホの症状 (WAVファイル)
正常な音 (WAVファイル)

このラジオには有名な故障がある。上記の症状のようにスピーカ出力の音が異常になる。上記の例は特にヒドイ方である。音声はなんとか聞こえるが音割れや音のひずみが出て聞きづらいのが多い。ヤ●オクで出品されるこの機種の大半がこの症状付きである。
原因は低周波増幅(電力増幅)回路にある表面装着型電解コンデンサの劣化である。業界に詳しい人に聞くと、この年代にソニーが使ったこの部品はロット単位で不良があったらしい。そうだろう。10年やそこらで劣化する電子部品なんて普通じゃないでしょ。
本当の困ったちゃんはソニーの修理部門である。数年前、約4回ほど(再修理依頼を含めたらもっと)修理を出したが、全く治さない or 治せない治らないで戻ってきた。原因がわかってるのに。ったくもう..

ICF-SW1Sの修理

SONY ICF-SW1S

「乾電池の劣化と外部電源端子の汚れが原因です。」だとよ...うそでしょセンセー。
トサカに来て再修理に出しても同じ回答...日本橋ソニーステーション(今は無い)の受付のおねえさんの困った顔に負けてメーカーに頼むのはあきらめることに。
ならば自分で修理をと決心した。
「決心」が必要な修理作業という理由は、この時代以降のラジオは、大半がチップ部品で構成されているからである。部品交換のハンダ付けの難しさは無論、部品の入手も困難である。
過去に1台のケースをコワしてしまった経験?を活かして慎重に裏フタを開ける。
ボリュームをはずし、数カ所のネジをはずしてから、側面のつなぎ目を慎重にコジる(コツがいる)とフタがはずれる。
左は裏フタをはずしたところ。電池ボックスの上にラジオ回路回路基板が見える。

SONY ICF-SW1S

 反対側のラジオ回路基板(部品側)。上にフェライト・コア・バー・アンテナが見える。
左から右へ、高周波~中間周波~低周波回路とい構成になっている。
チップ部品ではあるがすっきりしていて比較的追っかけやすい。

SONY ICF-SW1S

表示用液晶パネルとPLL局発回路基板
CPU制御で、ここから、長波~FM帯までの局発信号を作り出す。

SONY ICF-SW1S
PLL局発回路基板の裏側と前面パネルの上側。スピーカーが見える。

SONY ICF-SW1S

↑再びラジオ回路基板(部品側)
円筒系の部品が問題の表面実装型電解コンデンサ。この6個があやしい。即座に新品交換といきたいところだが部品が無い。
日本橋やヤ●オクで探したが、”4V耐圧”のものが見つからない。6V以上のものは手に入れたが、サイズが大きすぎて入らない。
バックアップ電池用のスーパーキャパシターやセラフィル(黒い四角の部品)を交換して、実験もやってみたいのだが。

SONY ICF-SW1S

 結局、面白く無い修理法だが、正常な海外向けICF-SW1Sを同じように分解し、ラジオ回路基板を取り出して(写真の左下の基板)、修理したいICF-SW1Sのそれと交換した。臓器移植みたいなもんである。
修理完了!!
正常に鳴り出した。
しかし、「臓器」を抜かれた海外向けICF-SW1Sは3枚におろされた状態。

SONY ICF-SW1S

↑3枚におろされた海外向けICF-SW1S
保存用シートに入れて休眠に入る。
交換部品が入手できるまで保存される。

閑話休題...

 4台しているうちの1台を「ダメもと」で近くの電気店に修理に出した。
症状は多分に漏れず、「音がコモる、割れる」である。
過去に苦い経験があるので、修理依頼票に「電解コンデンサを全品交換」「メーカ修理依頼」と記入させてもらった。受付の店員さんも「音がコモる」と付け加えてくれた。これは私は気が付かなかったが、確かにコンデンサが劣化して音が「ハイカット」になる可能性が高い。
修理手数料1000円を払って結果を待つことに。

SONY ICF-SW1S

待つこと約1週間。
電気店から修理完了のの電話あり。
「修理完了?...?」ホンマかいな?
と疑心暗鬼で飛んでいった。
お~いとしのICF-SW1Sちゃん(笑)
退院のお祝いだ。

SONY ICF-SW1S

↑修理報告書をオソルオソル見ると...

やっている。治ってるわ。これ!

(症状)
1.音ひずみ

(使用部品)
1.デンカイコンデンサ/... 劣化
以下略

「各種動作テストしました。」
「電解コンデンサ劣化の為交換修理。」
やったあっ
さすがSONYソニー
(クソニーって言ってゴメン)
(ソニータイマーって言ってゴメンゴメン)

「電池消耗にもご注意下さい。」
リョーカアイシマシタッ!と。

SONY ICF-SW1S

↑修理完了時についてきた、交換部品。
これですよ。これ。
こいつが悪いんですわ。
かつてSONY(に限らずですが)の修理は交換部品が付いてきた。これを見て修理した技術者の腕に感謝したもんです。手術や抜歯で切り取ったものをホルマリン漬けにして後生大事に持っている人がいるがそれに似た心境である。

そういえば、治せなかった時の修理報告は交換部品は付いていなかったなあ...あやしい。それに修理代金も今回は3千円あまり。治せなかった時は5千円くらいしたなあ...今更ながら矛盾と疑惑が頭を交差する。

SONY ICF-SW1S

↑誇らしげに輝く検査票
ソニーマーケティングの●●さんありがと。

ICF-SW1S修理完了後(一部未完)

 今回は、ソニー修理対応の”快挙”で1台のICF-SW1Sは元気になった。が「臓器」を抜かれて部品待ちの「海外向けICF-SW1S」。自己修理したが電源が勝手に切れるなど挙動がおかしいICF-SW1S。トホホ状態で部品待ちのICF-SW1S。
私のような実験目的半分のユーザは論外としても、ユーザがメーカー修理に躊躇するような状況は良ろしくない。最近修理部門の外注化が話題にでているが、もの申すユーザの多くは外注化そのものが問題なのではなく、修理技術、ユーザ対応の姿勢、価格の悪化を問題視、疑問視しているのだと思う。私が漬かっているソフトウェア業界は外注委託、再委託が当たり前の世界で、むしろ外注技術者の方が、プロパーの技術者よりずっと誠実で優秀なことが多いが、ハード機器の世界はどうなのだろうか?
エラそうに言える立場ではないが、修理対応(アフターサービス)など”基礎体力”がしっかりしてこそ、世界のメーカーと認められるのではないでしょうか?がんがれSONY
(kazu)


SONY ICF-SW1S
元気に(今は)鳴る。ソニーラジオICF-SW1S

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