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打倒100円ラジオ!4石スーパーラジオの製作~トホホ~

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4石スーパーラジオ

4石スーパーラジオ製作完了

100均ショップから、ダイソーの100円ラジオが姿を消してずいぶん経つ。3石+ダイオードでスーパヘテロダイン式ラジオが買えるとあって、ラジオマニアの格好の”おもちゃ”としてブームになった。2チャンネル掲示板では100円ラジオ関連のスレッドが賑わい、ネット上でも、100円ラジオの分解記事や改造ネタなど多種多芸だ。このサイトも現在も100円ラジオのキーワードで訪れる方があとを絶たない。

そこで、価格ではとても太刀打ちできそうにないが、100円ラジオと同様基本的な回路構成で、オリジナルをぶっ飛ばせるような面白いラジオを作ろうと考えた。もっとも未だかつて自作スーパーラジオでマトモに成功したためしが無いので訓練も兼ねてやってみることにした。

そういうわけで、ラジオの製作関係の本をむさぼり読んでいると、有名な奥沢清吉先生の本に面白い回路が見つかった。それが4石スーパーラジオ回路である。記事にある回路図をもとに手持ち部品の値に置き換えた。汎用基板へ配線するため部品配置図として書きかえてある。
*この時点の回路図には間違いがあるので注意。

使用するトランジスタが、2SC372という汎用トランジスタだ。’70~’80年代の電子工作と言えば必ず登場する定番中の定番トランジスタである。既に廃品種である。現在で言えば2SC1815だろうか。他に低周波電力増幅用に2SC735を使用していたが、これは手持ち部品のうちで特性の近い2SC828を今回使用することにした。

当時の定番トランジスタ 2SC372

東芝 2SC372

東芝 2SC372

2SC372は東芝の製造
Ic:100mA、Pc:200、fT:最小80MHz、hFE:100程度?

ランクはOとYがある。電子実験には手軽でもってこいの汎用トランジスタだ。
当時のプロ用受信機のIF段やAF段に普通に使われていて驚いたことがある。当時まだ主流だったゲルマニウムトランジスタが「熱に弱い」定説を、このシリコントランジスタが「ハンダ付けではコワれない」と評判になった。でも、配線ミスで、頭半分を吹っ飛ばしたことがある(^^;;;
カケラが天井と床を2往復ぐらいしたっけ..

対抗100円ラジオ版4石スーパーラジオの回路図

4石スーパーラジオ回路図

4石スーパーラジオ回路図(手書き)※見難いです。

↑手書きが見難いとご指摘受けたので、CD-3 4石スーパーラジオの製作マニュアル掲載の回路図をアップします。

4石スーパーラジオ回路図 radio1ban

4石スーパーラジオ回路図 radio1ban

※回路図をクリックでフルサイズ(2017.08.27更新)

↑対抗100円ラジオ..とうたっているものの初期バージョンはノーマルです。何せ、いくら最初から欲張っても「鳴らなければ」ただのゴミですからね。
ラジオの世界では有名な、奥沢清吉先生の「はじめてトランジスタ回路を設計する本」を参考にした。この先生の文章は、基本がわかってない者にもわかるように随所にわかりやすい説明を入れてくれているから好きだ。「なぜここに100PFなのか?」というところに詳しい説明を入れてくれる。それでも難しければ「こうしておけば安全」という指針も書いてくれている。「それを増やしたらどうなる。減らしたらどうなる」という説明もうれしい。他書に多い「こうしろ」的な「紋切調」でないところがいい。人柄か?

というわけでネタ元の宣伝はこれくらいにするが、あとになって奥沢先生の何げない図入りの説明がこの知的電子実験の成功/不成功をわけるカギになった。尊敬!奥沢清吉先生。

奥沢清吉先生のオリジナル回路 ※「はじめてトランジスタ回路を設計する本」から抜粋奥沢清吉先生の「はじめてトランジスタ回路

さて、回路図はいたってノーマルである。対抗の100円ラジオの回路は、シンプルそのものである。
※回路図クリックでフルサイズ

100円ラジオ回路図

100円ラジオ回路図

これから製作する4石スーパーラジオとの大きな違いは、低周波増幅部である。100円ラジオはトランジスタのコレクタにイヤホンを負荷として直接出力している。実際聞いてみると充分な音量ではあるがインピーダンスがマッチしてないように思うがどうだろうか?これに対して4石スーパーラジオはST-81というサンスイ互換のトランスを使用してスピーカーを鳴らすことにした。コレクタ側1KΩ、スピーカー側8Ωのアウトプットトランスだ。このトランスが¥380円だからこの時点で100円ラジオに大幅にポイントを取られる(^^;;

4石スーパーラジオの製作方針

高周波回路では過去に手痛い失敗を数え切れないほど(^^;; やっているので今回は必ず成功させるために手堅くいくことにした。

方針①

汎用基板への部品配置、配線はゆったりする。チェックの容易化と、後の配線変更を容易にするため。

方針②

一気に作り上げずに、まず高周波回路までを製作し、動作確認と調整を完了してから低周波回路ですすむ。そうすることによって問題発生の切り分けができて解決が速い。ソフトウェア開発作業においては定石なのだが。

方針③

すべて手持ちの部品で組み立てる。理由は単にお金がないから(苦笑)。

ラジオの製作開始

高周波回路(基板上から)

高周波回路(基板上から)

4石スーパーラジオ 製作方針の通り高周波回路のみ組み立てた。
同調回路-周波数変換(局発兼用)回路-中間周波増幅回路(455KHz)-検波回路、までである。約1時間の作業。

東芝 2SC372

東芝 2SC372

なつかしの2SC372トランジスタ。今回はYランク。hFEは実測で140程度。悪くない。

高周波回路(アップ)

高周波回路(アップ)

配線は回路図のイメージにそって、しかもゆったり配置した。
抵抗は手持ちの1/4Wを使用した。

基板の裏側

基板の裏側

ワイヤー配線部分
4角周辺をアースラインに、中央の縦直線に電源ライン

バーアンテナは、日本橋のジャンク屋で200円くらいで買ったもの。アンテナ側の実測は617μH

PVC-2 バリコン

PVC-2 バリコン

ポリバリコンはミツミ?のPVC-2というトラッキングレス。
実測、アンテナ側:30-175PF
OSC側:36-100PF

ダイヤルを回すと、シャレじゃないが”バリバリ”と鳴る。大丈夫かな?

高周波回路の動作チェック

検波回路出力の波形??

検波回路出力の波形??

検波回路までの配線が無事完了した。もう一度配線をチェックして乾電池(006P)をつなぐ。

無信号時の波形としては静かだ。SSGで中波の強い信号を入れても変化無し。受信していないな。

局発測定ポイント

局発測定ポイント

局発回路が発振していないのか?正常ならばキレイな正弦波が出ているはずだが..
局発回路はエミッタ注入方式なので2SC372のエミッタと局発(赤)コイルの中間タップの間の波形を見ることにする

アヤシイ波形

アヤシイ波形

アレッ!?
アヤシイゾ..

エイリアン波形?

エイリアン波形?

.......??
エイリアンが手をつないでフォークダンスしとるわ、これ..

......

......

異常発振か?発振不足か??

非常に難解な波形だ..

エアバリコンに換装

エアバリコンに換装

”バリバリ”鳴るバリコンが怪しいので、エアバリコンに変更してみる。
変化無し

エミッタと局発コイルの結合コンデンサを0.0047μFから0.01μFに換えてみる

変化無し

ダンピング抵抗投入

ダンピング抵抗投入

局発(赤)コイルと初段のIFT(黄)コイル間にダンピング抵抗を入れてみる

 

エイリアンののダンス

エイリアンののダンス

.......
やっぱりエイリアンのダンスか

 

初段IFTの出力側の波形

初段IFTの出力側の波形

なんじゃコレ???

ガキンチョの落書きみたいだ

アカン

完全にラジオにナメられているのだ...

クヤシイ~

なかなか手強い..4石スーパーラジオ

というわけで、ちょっと頭を冷やしてきます。まだトホホの失敗ではありません。

つづく(kazu)


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