必要性から
長かった冬もようやく終わり、さわやかな桜の季節もつかの間か、いきなり暑い日々がやってきた。どうも最近の気候はよくわからない。自分もそうだか周りで体調の悪い人が非常に多い。
そこで今年も暑い季節のトラブルに備えて、自動制御のルーター・モデム機器冷却ファンシステムを稼働させた。
2004年の夏期は異常な猛暑だった。我が社のインターネットサーバ機器もごたぶんにモレず機器障害が多発した。ゴールデンウィーク前に、N●T製(某メーカのOEM)のルータが故障した。どうも機器が「高熱」状態となり、たまらず「昇天」してしまったらしい。
普通の室内で多数のコンピュータ機器を動かしていると、かなりの熱量を発生してる。冬でも機器の近くでは25℃を超えるときがある。そうなると機器内部ではそれ以上の温度に24時間さらされている。ちなみに、UPS(無停電源装置)の機器内部温度のログをみると、
冬でも35℃、夏でなんと50℃近くもある。これでは、半導体などの電子部品は、熱による酸化が早まるなど寿命を縮めたり故障の原因になりやすい。冷却ファンが装備されているPCはまだしも、冷却ファンの付いていないルータやモデムにとってはたまったものではない。
特にルータはサイズは小さいが立派なコンピュータである。外部のネットワークとの通信を一手に引き受ける重要な通信機器なのでそれなりの対策を講じておくべきだろう。でもウチは人的資源には期待できないのでMICROCHIP社のPICマイクロ・コントローラを使ったマイコン
制御のシステムを作ってみた。2004年に製作し、今年も順調に稼働している。
しくみはカンタンだ。
LM35DZという温度センサの値をPICマイコンのA/Dコンバータで周辺の気温を計測し、Palm携帯情報端末に1秒おきに計測結果を送信する。人間はそばに置いたPalmで常に現在の状態がモニタできる。 Palmとの接続はシリアルケーブル(ADM232使用)で接続されている。現在温度が26℃(変更可能)以上が一定時間超えると自動的に冷却ファンがONとなり、ルータやモデムを冷やすしくみである。26℃を下回り一定時間を過ぎると自動的にファンがOFFとなる。 |
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Palmの画面は、状態のモニターだけでなく、冷却ファンの強制ON/OFFも可能である。
最近PDA(携帯情報端末)は、多機能な携帯電話に押され続けて肩身の狭い状況だ。 |
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サーバコンソールの横に鎮座するPalm
Palmの短所は、長い間放っておくと、デジタイザ(画面をタップする位置座標)がズレてしまうことだ。 逆に長所は、機器が安いこと。中古ならば数千円で手に入る。 |
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運用例
基板ムキだしで使用している。 |
作業完了..
最近、電子工作を楽しむ方が非常に多くなった。
私の会社にも実用的なアイデアを持って相談にくる人が増えている。インターネットが普及して、デバイスなどの情報収集が容易になったこと、部品の入手が容易にしかも安価になったことが理由だろう。自分のちょっとした知恵と工夫で、思い通りモノが動く、というのは感動ものだ。
この実験は、
「PICマイコンとMCA無線でインターネットサーバの遠隔保守計画」
のひとつで、MCA無線(800MHz帯の業務無線)やアマチュア無線、微弱電波(ワイヤレス)を利用した遠隔制御実験のひとつである。
(kazu)