安物測定器ってどうなのよ
最初に自分の小遣いで買ったのは、秋月の中華オシロ、DDS-140って奴だった。
オプションの信号発生ユニットを追加しても、2万円でお釣りが来るんだよね。
ここに来て、計測器メーカーから結構安い計測器が出て来てるんで、比較してみようかと思って。
※決して計測器メーカーから何か貰ってるとか、接待受けてるとか、忖度しろっ!って脅されてる訳ではありません、念の為。
まずは、オシロって言ったらTektronixっしょって程の信者が存在するTektronixさんですけど、5万円台で入手可能な製品が出て来ています。
帯域は50MHzなのですが、まぁラジオやアンプいじくり回す程度なら必要充分な性能があるんじゃないかと思います。
秋月オシロ三台分って思えば高くないと思います、秋月オシロは謳ってる帯域まで動かないですからね。
見るのオシロ、出すのは。。。
秋月の中華オシロには、オプションでDDSユニットを接続出来るけど。
コイツが曲者で、電源を入れた直後、いきなり22KHz、3Vpp程度の信号が出っぱなしになる。
PC上のソフトでDDSを選択してやると、そこで初期化されて信号が止まるのだけど。うっかりすると、過大入力で回路を壊す可能性があるんだよね。
Tektronixさんの、信号出す側の装置だとAWG(Arbitrary Waveform Generator)が有名だけど、AWGなんてめっちゃ高価で、一般人には到底手の出ない代物だった。
の、、、ですが、廉価版が出て来て、25MHz帯域の奴なら10万円弱で入手可能になっている。
オークションで中古のSSGに数万円も出すなら、こっちの方がイイんじゃね?って気もするんだよね。
だってさ、2GHzの帯域あるSSGなんか、何に使うのさって話ですよ。
私の場合、精々短波ラジオなので、2GHzのSSGなんて無駄な気がするんですよね。
中古SSGと比較してみる
中古のSSGと、TektronixのFunction Generator、秋月の中華DDSを比較してみたのが、以下の一覧になるのだけど。
やっぱり価格相応だよねって思ったりする。
中古SSG | Tektronix Function Generator | 秋月オシロ+DDS | |
帯域 | ~2GHz | ~25MHz、価格による | 公称20MHz、実力は数MHz程度 |
出力振幅 | 0dbm基準(dbμもある) | 1mV~10V(pp) | ~5V(Readout機能はなし) |
変調 | AM/FM(STERO可) | AM/FM(STERO不可) | 不可 |
Sweep | 出来る機種もあり | 可能 | 出来るが繰り返しが出来ない |
変調機能 | 内部/外部入力 | 内部/外部 | 不可 |
価格 | 中古で数万円~ | 新品で10万円以下 | 安い、数千円 |
外形 | デカイ、重い | 割と小型、軽い | 小型、煙草の箱二箱程度 |
信頼性 | 所詮中古品、精度も? | メーカー保証が付く | 所詮中華製品 |
どれを選択するかは、個人の価値観なのだけど。私的には、秋月の中華DDSは『ねぇわぁ』って判断するだろうな。
それしか無いって状況なら、嫌々使うだろうけどね。
なんか凄げぇの出てきた
取り敢えず、Tektronixで調べてみたけど。Keysight(旧Agilent(アジレント)、もっと前は、あのHP(ヒューレット・パッカード))はどうなのか。
廉価版のFunction Generatorは出ていないけど、中古市場で33250A(80Mhz)とか出回っている。
が、結構高価で最低でも10万円以上はしている模様。
33220A(20MHz)だと10万円以下で入手可能かな。
なんて思っていたら、こんな脳味噌がクラクラしちゃう製品が出たですよ。
帯域50MHz、2ch、20MHzのFunction Generator内蔵!で、9万円でお釣りが来ます。しかもFFTまで標準で付いてくるって、夢のようじゃありませんか、奥様!。
やるじゃん、Keysight(キーサイト)
Keysight Technologies(キーサイト・テクノロジー)のFunction Generator内蔵オシロ、猛烈に欲しいかも知れない。
上位機種で帯域100MHzにした奴だと13万円ほどになるけど、中古のSSG買って、中古のオシロ買うと
その位の金額になるよね、でかくて重くて場所とるしさ。だったら、一体型でFunction Generator
内蔵の方がイイじゃん。メーカー保証は5年付くしさ。
Function Generatorで何が出来るかって言うとですね。
SSGと比べて出力レベルが高いので、信号源として便利に使えるですよ。
例えばロジック回路のクロック源にしてみる(クロック周波数振って、回路のマージンを見る目的で
)とかアンプの信号源にもなる訳です。レベルが大きすぎるって言うなら、アッテネータ噛ませば済む話な訳で。dBmとかdbμじゃないとヤダってお方は、変換すれば済む事ですし。
あら、手元にあるじゃん
うわぁ、イイなぁ、欲しいなぁ、、、って思って悶々としてたら、手元にあるじゃないですか(謎)。
嬉しくて踊り出したくなりますね。
早速電源をいれてみて。
コイツの売りが、Function Generator使った周波数解析機能なんですね、簡易版ですけど。
ネットワークアナライザやスペアナほどの自由度はありません(改善して欲しいけど)。
売りの周波数解析をやってみる
今までの実験でネタにされてるラジオ基板使って、周波数解析機能を試してみたいと思います。
ターゲットになるのは、3石のAFアンプ、トランス結合の回路です。
Function Generatorの出力とch1のプローブを入力側に、ch2のプローブを出力側に接続します。
つなぎ方はこうだぞ
セットアップを済ませて、Analyzeボタンを押すと、こんな画面が立ち上がって来ます。
入力側に与えたい信号レベル(最小1mVから可能)を設定して、サーチしたい周波数のスタートとストップを設定します。サーチステップは自動で設定されてしい、手動設定は不可です。
うわっ!電話じゃん、これ
設定が終わったら、実行ボタンを押します。数秒かかって、こんな結果が表示されます。
周波数特性は2KHzから低域がダダ下がり、高域も2KHzをピークに下がっている、かまぼこ型の特性、まるで電話の周波数特性です。
3石のトランス式B級PP回路なので、こんなもんですかね。
よし、アンプを何とかしよう
CK-666の結果と時系列的に多少前後するのですが、こんな面白いオシロが手元にあれば、色々と手悪さがしたくなるのが、ヲタクの性ってもんです。
で、CK-666のAFアンプはかなり手を入れないと(トランス交換等)まともになりそうにないし、今回ドナーにした3石のB級PPアンプも相当に酷い結果な訳で。
こりゃ、安心して放送が聴く事が可能なアンプを検討しなきゃいけないと思うですよ。低電圧で動く回路も面白いのですが、結構難しいところもあるので、入手が容易な奴を幾つか試していきたいと思います。
最終的には、CK-666のAFアンプは撤去して置換する(部品はそのままで、電気的に無効にするだけ)方向でやりたいんですよね。それと、スピーカーは10センチ程度(可能なら16センチ)のを、ちゃんとしたキャビネットに入れて使いたいなぁ。
そんな方向で、オシロと遊びたいと思いますよ。
(ken)
オシロスコープ購入情報
radio1banマニュアル読者の方から「オシロは何が良い?」「オシロの使い方は?」「SG(信号発生器)は何が良い?」というご質問が多くいただきます。
今回は、kenの記事にあるKEYSIGHT(キーサイト)の、Function Generator(信号発生器)付のオシロスコープをご紹介します。KEYSIGHTは、あのHP(ヒューレット・パッカード)から測定器部門から独立した米国の測定器メーカです。以前の社名はAiglent(アジレント)です。色々なメーカーから発売されていますが、KEYSIGHT(キーサイト)のオシロは、正直言ってお薦めできます。その理由は、サポートが良い、技術レベルが高いの2点です。
無線ラジオで使いたいんだとメーカに(電話かメール)質問して下さい。勿論個人でOKです。
KEYSIGHT(キーサイト)の計測お客様窓口
フリーダイアル:0120-421-345
メール:contact_japan@keysight.com
営業時間:9:00 – 18:00 (土日祭日を除く)
Amazonで購入が便利です
prime付で販売されています。
安価な中華製オシロや、テクトロニクスのオシロで聞くような、個人で購入すると、修理やサポートの体制が不明で困る事があるという事はありません。Amazonで購入しても、KEYSIGHT(キーサイト)の国内サポートはしっかりしています。
(2017.10.3 kazu))