100円ショップ(ダイソー)に行くとよく見かけるラジオである。
AM(中波)とFM用の2種類がある。イヤホン(別売)をつけて聞くしくみ。ホントに聞けるのかとずっと半信半疑だったが試しに買ってみた。
※この注釈を入れてるのは2008年ですが、100円ラジオはもう売っていません(ToT)
ダイソーさん、いや、made in china殿。この↓100円ラジオ↓を復刻してください。お待ち申し上げておりますm(_ _)m
ダイソー100円ラジオの回路図
ダイソー100円ラジオの回路図です。(画像クリックで拡大画像を表示)
100円ラジオが、スーパーラジオの調整治具になる!(画像クリックで拡大画像を表示)
鳴らない!
予想通り!?というか、乾電池とイヤホンを差して注意深く同調つまみを回してみるがフンともスンとも言わない。鳴らないのはAMラジオの方。ボリュームを最大に回しても「サー」というノイズも全く聞こえない。スワッ、クレームだ!といきたいところだが、しょせん100円である。店に行く手間と労力の方が惜しい。
そこでお得意の分解修理にかかることにする。実はこの方が楽しいのだ(^o^)。試しに買ってみたカイがあるというもんだ。
フタを開けてビックリ
フタを開けてみて驚いた。なんとリッパ?な部品構成なのだ。たかが100円とバカにしていたが、この部品を日本橋や秋葉原ですべて調達したら、とても100円では済まない。
AMラジオの基板
リッパなシングル・スーパー回路である。IFTコイル(赤、黄、黒)だけでも300円以上はするだろう。 オソルべし made in china
FMラジオの基板
バリコンはいかにも安っぽいものだが、LA1800という ワンチップのFM/AMラジオICを使用している。AMの機能は使っていないようだ。メーカの刻印が無いので純正サンヨーのコピー品か?
↑AM(中波放送)も聴取する改造方法を投稿いただきました。改造記事はこちらです。(2006.02.25)
今は亡き「100円FMラジオ」でAMを鳴らそう作戦!!
お楽しみの修理
音が鳴らない、ということから、低周波回路からたどって行くことにする。 電子回路の修理というものは一種の”知的”謎解きゲームのようでホントに楽しいものだ。 本職のソフトのデバッグにはいつも苦痛を伴うが...(笑) ラジオのレストアの定石であるコンデンサの交換からはじめる。 イヤホンへの終段出力の電解コンデンサを交換するが変化なし。 低周波増幅用のトランジスタ”S9014 C939”のコレクタから電圧が出ていない。おかしいので、汎用品の2SC1815に交換する。 イヤホンから突然AM放送が飛び込んできた。「やった~」 でも音割れがひどい。これでは耳が痛くなってくる。オシロで検波後の波形を見てもキタナイ。 検波ダイオードを見ると、型番不明の普通?のダイオードが使われている。AM検波にはゲルマダイオードか、 せめてショットキーバリヤーダイオードでないと、きれいな音声にならないのだが... 手持ちのゲルマD”1N60”に交換する。 放送がきれいに受信できた。しばらく放送に聞き入って修理完了。
交換された不良部品
左から電解コンデンサ、トランジスタ、ダイオード
修理後の基板
修理完了後
最近、昔のラジオを修理する「レストア」を楽しむ人が増えているようだ。私もその一人である。 ラジオ少年だったころ、家のラジオを次から次へと分解しては壊してよくおこられた。その反動か、 ヤフオクなどで入手した貴重な「懐古」ラジオを手間ヒマをかけて復元していく。元気よく鳴ったときの感激は格別である。
100円ラジオは安いとは言え、りっぱなスーパーヘテロダインラジオなので、トラッキング調整、IFT調整など、 レストアの「練習機」として良いのでは?
アマチュア無線家のなかでは、100円ラジオをトランシーバなどに改造している猛者もおられるようだ。
(kazu)