はじめましてkenです。ハードディスク(HDD)関係の仕事をしています
「実験室が暑いので、PC用のFANを12Vで回していたのですが風量が多すぎるしうるさい…。
PWMのファンコントローラ(555×2、FET)を作って動作確認中に出力をショートさせてしまい、FETがはじけ飛びました。十数年振りに半導体を派手に壊して苦笑いしてます。」
というトホホをたまにはやっているkenです。
知ってました?パソコンの最も重要な部品であるハードディスクの正しい知識を...
クラッシュ、破損、修復不可能、サルベージ...と、ハーディスク装置にまつわる悲劇、トラブル、騒ぎは日々絶える事がありません。知ってるようで意外と知らないハードディスクの常識・非常識を紹介していきます。笑い事では済まないデータ破損や消失のトラブルを招かないように正しい扱い方を行いましょう。
まずは電子実験”お決まり”の開封(内部写真です)
ハードディスク装置電源ONの状態(↓) ※実験室で特別に”開封”して撮影しています
ハードディスク装置電源OFFの状態(↓)
(??) 何かの部品(↓)? 2SK308 ??FET?? ※kenとの記事の確認ミスでした(^^;;; (kazu)
ハードディスクにまつわる常識・非常識【重要です】
■ハードディスク..無情のクラッシュ~瞬電が致命傷..トホホ~
に書いていたハードディスク(以下HDD)クラッシュについての正しい知識をご紹介します。
写真を見たところWestern DigitalのHDDのような気がします。そしてBIOSで認識せず、スピンドルも回転しないようであれば回路故障の確率が高いです。
同型番のHDDを入手して基板をスワップすれば復活の可能性が高いです(そのまま使い続けてはいけません、メカのパラメータが個別に違うので)。
回路が生きていて、メカの故障であればモーターがロックしていない限り何らかの反応があります(小さな音がするとか)。そしてモーターがロックする程のダメージは、水没させるとか、落下させる程のダメージを与えない限り起こりにくいです。
BIOSがHDDを認識する手順を以下に書きます。
■電源投入 -> BIOSがHDDに問い合わせコマンドを発行
■HDD:HDDはスピンアップ中でBusy(STS-D0)を応答
■BIOS:Busyの応答を受け取るとデバイスが存在すると認識しReadyが返って来るまでWaitする(余りに長いとTimeoutでDeveiceFailとして次のBootSequenceに進む)。
■HDD:スピンアップ後サーボ制御の為、サーボ信号を探してヘッドをシークします。
■サーボ信号が読めるとそこから制御ループに入ります(オントラック)。
■HDD:各種制御プログラムやパラーメータが媒体に書かれている領域(System
Area)を読みに行き、SelfCalibrationを実行します。
■その後Ready(STS=50)をBIOSに返し、容量、LBA、転送モード等をBIOSに返します。
(この一連の動作がわずか数秒で実行されます。)
「MASKからBoot -> フラッシュROM -> サーボ同期 -> SAリード…」という動作手順になります。
もしHDDのヘッドが損傷してSystem Areaやサーボが読めない場合、リトライを繰り返し“カッコーン、カッコーン”の繰り返しになります。媒体にダメージを受けた場合も同様ですが、リトライの音が不規則な繰り返しになる事が多いです。
HDDが電源断した場合や瞬停に遭遇した場合はヘッドをシッピングゾーンにリトラクトする様に設計されており“最近のHDDは作りが悪い”なんて事はありません。
ちなみに3.5インチでは媒体の最内周がシッピングゾーンになっています(CSS方式とも言います)。
2.5インチ等の小径HDDは数年前までは3.5インチと同じ方式を採用していたのですが、最近は媒体の外周より外側に専用のエリアを持っていてそこに退避する設計になっています。
HDDのクラッシュを経験されてた方も少なくないでしょうが、HDDはデリケートな生物です。
稼働中のHDDは通風を良くして動作温度を下げた方が寿命が延びます。
一般的に、設計温度は25℃、動作保証温度範囲は0℃~55℃です。
稼働中の温度が10℃上昇すると寿命は半分になると言われています。
例えば25℃でMTBFが10万時間のHDDを45℃で使用した場合、1/4となります(この場合だと3年弱ですね)。装置に組み込んだ場合は更に上昇しますのでHDDにも夏対策は必要かと思います。
ちなみに私が業務で使用しているPCは省スペースタイプの為、内部に熱がこもりHDDの温度は50℃を超える事がありました。現在はケーブルを外部に引き出し、HDDをPCの上に両面テープで固定し、ファンで送風しています。これで、何があっても35℃以内に入るようになりました。
ハードディスク(HDD)の知らない世界(^o^)/
一般の人が普通は見ることの出来ない世界ってのがありますよね。
例えばHDD -> PCに繋がるフラットケーブル。
どんな波形が流れてるのか…なんて興味ありませんか?
そしてフラットケーブルの長さって最大18インチって仕様で決まってるんですが、巷には仕様を知ってか知らずか1メートルなんてといんでもないケーブルが売られていたりします。
何故に18インチ(約50センチ)なのか?
どちらかと言うとアナログ屋なので、そう言った情報が多くなると思います。
■PATAインターフェースHDD
■SATAインターフェースHDD
(ken)