実は好きなんです。。。
SONYソニーのことを「クソニー」とか「ソニータイマー」とか偉そうな事言ってるが、実は、ラジオは絶対SONYじゃなきゃ嫌(^O^)/なのである。
特にBCL(海外短波放送受信)用ラジオとしては、他メーカではダメダメである。ICF-SW1Sのトホホ記事では厳しい事言ったが、要するに、
壊れなければSONYのラジオは最高です!
(どっかで「ソニータイマー」の事をオオマジメで学術的に解説してるサイトがあったが思わず爆笑した)
久しぶりのBCLラジオネタでは、ICF-SW22を揚げないわけにはいかない。
2年前だったか、大分市に出張する日、最終便の飛行機に乗る前、フラフラと散々日本橋をうろついたあげく、上新電機のある店にたどり着いた。
(いつもの衝動買いのパターン)
出張となると、人間って(自分だけか)何か「支え」とか「お守り?」「手持ちのおもちゃ」を欲しがる。ご多分に漏れず自分の場合は、携帯便利な無線・ラジオだ。まあ言えば、出張先で、”出先”BCL(海外短波放送受信)を楽しみたいだけなのだ。また、ケータイ電話は仕事用なので心ときめかないから論外。
「カセットサイズ」「短波が聞ける」「SONYのラジオ」でICF-SW22がず~っと脳裏から消えなかった。
ICF-SW1S(商売含め10数台目)、ICF-SW100S(買い直し2台目)を所持していながらである。PLLで一発選局、SSB/CW対応、長波から短波までフルカバーのこの2台と、さらにYAESU/STANDARDのワイドバンド受信機VR-500を所持していても、今なお「ICF-SW22」が、旅の友候補として脳裏から離れることができないのはなぜなのか??...
そんな難しい自己問答などどうでも良いことにして、颯爽と大阪日本橋を徘徊する。飛行機の出発時刻に充分すぎるほどの余裕時間を持って出発してしまうところは、もう一人の自分”重傷慢性物欲男”がなせる策か?(^^;;
SONY ICF-SW22(JE) ツーリスト(海外)モデルモデルをGETするぜ!
昼食もそこそこに日本橋のメインストリートに急ぐ。
喜多商店から、上新電機各店、小さな電気店をくまなく巡るが売っていない。そうです!「ICF-SW22(JE)ツーリストモデル」が売っていないのだ!。それどころか、ICF-SW22国内モデルもほとんど店頭になかった。SONY製品専門店◎△×にも無かった時は、さすがに「なめんなよ!ゴルァ~」となった。
たっぷり取ったはずの時間はいつの間にか消費され、伊丹までの空港バスの時間を考えると落ち着いていられなくなった。
今日の大分出張は「絶対ICF-SW22(JE)海外モデルをGETするぜ!!」と決心して出てきたもんだから、ICF-SW1Sも、ICF-SW100Sも、VR-500も持ってきてない(ToT)
こうなったら、缶国とC国以外だったら何でもイイからラジオを買おう!と決心した。ほとんど時間が無くなって最後の店、上新電機??館にたどり着いた。エスカレータの上昇ももどかしくラジオコーナーに飛んで行った。
「そにーのICF-SW22というラジオはありますか~」
「ありますよ~」
(◎O◎)
ショーケースの下の引き出しからから、おもむろに小さな箱を取り出す
「あの~かいがいモデルが欲しいんですけど」
「あ~..ちょっとまってくださいねえ」
固唾を飲む..
「これはICF-SW22のじぇい・い~ですねえ~」
頭中が混乱する
「JEって海外モデルでしたっけ?」
「う~ん??」
「説明書見せてもらえませんか?」
.........!!
\(^O^)/
「41mbある!3.9MHz無い!」
「これです!これ下さ~い!!」
無事 SONY ICF-SW22(JE) ツーリストモデルをGET!!!!!!!
店員さんの話では、海外モデル(JE)の方を求める客が多く、こちらを在庫してるのだとか。海外旅行予定者が多いらしい。かつてのBCL(海外短波放送受信)ブーム時代とは違って、海外渡航以外に、このような短波ラジオを求める客はほとんどいないので、これしか無い。「あなた珍しい人ね」と言われた。というわけで、めでたくラジオオタクに認定された。
このように(私にとっては)誉れ高い?稀少国産ラジオだが、このラジオにもちょっと困ったちゃんがある。
お決まりの三枚バラシから..
ドラマチックな出会いに始まったICF-SW22(JE)との交際だが、そんなラジオでもラジオであれば必ずバラさないわけには行きません(^^;;
バラシ方は簡単だ。
■まず、裏側から見える数本の(+)ネジをはずす。ロッドアンテナの根元にある(短い)ネジははずさないこと。ロッドアンテナがガタガタになる。
■次にケース上部の割れ目に爪を入れて、そっと開ける。
サービスマニュアルには「同調つまみをはずせ」と書いているが、はずさなくてもケースは開く。
ケースの各所に、固定用の”爪”がある。どこにあるか見えないので慎重に開ける。
マイナスドライバなどでこじ開けたりしないこと。必ずキズが付きます。
自分の爪と指で開けると、大切なラジオにキズが入る前に、ラジオの危険を指の痛みが教えてくれる。
【注意】後ろに見えるのは、ダイアルパネルとバリコンギア。これらは、この時点でははずれていない。
↑ごらんの通り、裏側の基板は表面実装チップ部品で埋め尽くされている。
■裏ケースの裏側。左上にロッドアンテナと、ラジオ基板との接触用金具が見える。これがちょっとした困ったちゃんになった。
■これで、ラジオ本体基板、表ケース、裏ケースと、3枚におろした事になる。
トラッキングなどの調整を行うには、さらに、ダイアルパネルなどを分解していかなければならない。
スピーカーは、SONYのお家芸、ボンドで固めている。表ケースを洗浄する場合は、面倒だがこのボンドを取り払わなければならない。
ボンドは、ドライヤーで暖めてゆっくりはがすのが良い。ボンドはがし薬剤を使うと、スピーカのコーン紙などに薬剤が廻ってしまい、大変な事になる。
ダイアルパネルがあるので左半分しか見えない。
水晶やコンデンサの荒っぽい実装を見るといかにもmade in 中華っぽいが、我らが ICF-SW22 はれっきとした純日の丸製だ。調整用コイルや、第一局発用各バンド水晶が見える。7個あるはずだ。また、見たくないトラウマ電解コンデンサがリード線むき出しで見える。
赤色コイルが局発コイル。バリコンのトリマは、基板裏側に4個の穴から調整する。
トラッキング調整を行うにはここまでバラさなければならない。
■特筆すべきは、同調機構だ。バリコンギアと、ゴム製のチューニングベルト、そしていくつかのギアの組み合わせで構成されている。
これだと、バックラッシュも少なく、チューニング(同調)つまみも大変スムーズに回転するはずだ。張り方が非常に難しいダイアル糸方式じゃなくて好感が持てる。私はここを見て made in JAPAN の几帳面さ&素晴らしさを感じた。ラジオを修理・整備する人なら、大抵チューニング機構部分で苦労を経験してるはずだ。ダイアル糸張りなんて、できればやりたくないのだ。
長年愛用すると、ゴム製チューニングベルトの劣化が考えられるが、心配な方はSONYサービスステーションから補修部品として購入しておくと良い。売ってくれるはずだ。
ICF-SW22 の受信回路は?
■ICF-SW22は、ダブルスーパーヘテロダインラジオ(ダブルコンバージョンとも言う)だ。だから高感度だという意見もあるがそうでもない。
↑の画像で見える28ピンのICは、SONY CX20091(FM/AM FRONT-END/IF AMP/DET/ AF AMP)というラジオICだ。これ1個で、FM/AM高周波回路、中間周波増幅、検波、低周波増幅までやってしまう。性能が知りたくてネットで探してみたが見つからない。SONY のオリジナルIC(カスタムIC)か。若松通商で、¥1,200で売っていた。
■ICF-SW22は、シリーズのICF-SW11とは異なり、短波(SW)用高周波増幅を持っている。2SK238 というFMチューナ用FETを使用している。
短波帯用の回路は、
SW RF AMP(2SK238)
SW 1stMIX(2SK508)
SW 2ndMIX(2SK209)
SW 1stOSC(2SC2223)
SW 2ndOSC(2SC2223)
SW AGC AMP(2SC1623 x 2)
と、結構な数の石を使っている。「ICF-SW22の短波は、聞きたい信号を浮かび上がらせる」と言ってる人がいたが、この回路のおかげか?
■選択度を決めるセラフィル(セラミックフィルタ)は、フレームの陰に隠れて型番が読めない。回路図にも、”CFU”と表記されているだけで記載がない。ICF-SW1Sが、CFU455I(I2)だったから同等品を使ってると推測する。ムラタ(村田製作所)のセラフィルでIタイプだと±2.5kHz帯域だから、5kHzステップで周波数を割り当てされている短波バンドに対応する。
■よく比較対象にされる、ICF-SW11 の構成は、独立した高周波増幅部は持っておらず,、高周波~検波までを、ワンチップラジオICの、SONY CXA1238M で行い、低周波アンプを、CXA1522M と、2個のICでやっている。
ついでに..あのストラップは?
■いろんなストラップが巷に溢れかえっているこの辞世に、永久固定式ストラップ(ダサイ!)というのはどうもいただけない。
何とかしてやろうと探ってみたが、どうもフレーム奥のピンで固定されているらしい。なんとかなるようだが、完全に分解しないとストラップの交換はできないようだ。面倒なのでまあいいかで今回はあきらめる。
一気に書こうとしましたが、書きたいことが膨大な量になってしまいましたので、続きは続編ということで..
(Kazu)
ICF-SW22 を購入したい方に
ICF-SW22購入を検討されている方は、現在2機種販売されている事に注意してください。
まず、1台目は、ICF-SW23。従来のICF-SW22という国内モデルの最新機種。値上げの口実?くらいしか理由が見あたりません。周波数パネルから、TV1~TV3の表示が消えたようです。テレビ放送のデジタル化対応でしょうか。
もう1台は、ICF-SW22(JE)ツーリストモデルという機種。両機の違いは、短波帯のカバー範囲が異なります。
ICF-SW23は、75mバンド(3625-4275kHz)が受信できて、41mバンド(6875-7525kHz)が受信できない。75mバンドに、ラジオNIKKEIの表示がある
ICF-SW22(JE)は、41mバンド(6875-7525kHz)が受信できて、75mバンド(3625-4275kHz)が受信できない
あとは、マニュアルが日本語のみか、主要国語対応くらいです。
ICF-SW22(JE)、ICF-SW23は、旧機種ICF-SW20からの流れを汲むもので、大きな仕様変更も無く、このクラスのラジオとしては買って損は無いです。チープなストライプと、がたつきや、へ凹みがちな電池ふたを除き、特にラジオの性能、チューニングのフィーリングなど、基本性能は申し分ありません。2本の単3乾電池でかなり長持ちします。カセットサイズの小さなラジオなので、野外で大音量で鳴らしたいというようなシーンはちょっと酷でしょう。
私は出張先のホテルで、ダイアルをぐるぐると回し、当てもなく短波放送を聞くのが好きです。この楽しい感覚はアナログラジオならではで、PLLシンセサイザ式のラジオでは味わえません。
ICF-SW23 ・ ICF-SW22 (JE) の短波受信周波数
メーターバンド(放送バンド) | 周波帯(kHz) | 主な放送局 | 受信周波数 |
---|---|---|---|
120m | 2300-2495 | 熱帯地方のローカル局 | – |
90m | 3200-3400 | 熱帯地方のローカル局 | – |
75m | 3900-4000 | ラジオNIKKEI(J) | 3625-4275 (ICF-SW23) |
60m | 4750-5060 | 熱帯地方のローカル局 | – |
49m | 5950-6200 | ラジオNIKKEI(J)ラジオ韓国(J)VOA(E) | 5775-6425 |
41m | 7100-7300 | ラジオ日本(J,E)BBC(E)VOR(J,E)中国国際放送(J,E) | 6875-7525 (ICF-SW22(JE)) |
31m | 9500-9900 | ラジオ日本(J,E)ラジオNIKKEI(J)BBC(E)VOA(E)ラジオ韓国(J,E) | 9375-10025 |
25m | 11650-12050 | ラジオ日本(J,E)BBC(E)VOA(E)DW(E) | 11615-12265 |
22m | 13570-13800 | ラジオ韓国(E)オランダ放送(E)ラジオフランス(F) | – |
19m | 15100-15600 | ラジオ日本(J,E)VOA(E)、BBC(E)ラジオフランス(F) | 15000-15650 |
16m | 17550-17900 | ラジオ日本(J,E)BBC(E)VOA(E)ラジオオーストラリア(E)DW(E,G) | 17500-18150 |
13m | 21450-21850 | ラジオ日本(J,E)ラジオオーストラリア(E)DW(E,G) | 21325-21975 |
11m | 25670-26100 | ラジオフランス(F) | – |
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2017.09.15 入手情報更新 (kazu)