また、クリスマスツリーの季節がやってくるが、活況の100円ショップには早くも、LEDでクリスマスツリーのデコレーションや、ガーデニングの夜間の彩りを飾る「デコレーション プチライト」「Decoration Light」なるものが出始めている。それも100円で...なにを考えてるのか??この驚異価格はどこから来るのだろうか(^^;;
最近LEDを使った「光りモノ」が大変な人気らしい。例の青色LEDのおかげか?LED(発光ダイオード)は早くからあった電子部品なので、電子工作オタクにとっては、あまり物珍しいものでもないのだが。
そこで今回は、PICマイコンを使った「100均製デコレーションライトをPIC16F84により点滅制御する装置」なるものを製作してみた。回路設計・アセンブラプログラミングは、後輩の「U選手」が担当し、私は製作と講釈タレを担当した。
100均に出回り始めた「デコレーションライト」
買ってきて電池を入れてみる...
PICでどんな制御をするか?(U選手の仕様)
●タイトル
PIC16F84 LEDチェーン点滅
●機能
LED20個のチェーンを点滅させる
●動作速度
外部RC: 100KHzを想定してR=33KΩ,C=330pFとした。
たぶん若干落ちると思うので、15%程度のマージン付与
●仕様
Switchを押す毎に点滅パターンを変える
Switch判定は500msec毎のTimer0割り込み内で判定する
その為、キーセンスには若干のタイムラグがある)
●LED点滅パターンの説明 ※時間は正確ではありません
;* 0:1秒毎に点灯/消灯
;* 1:100ミリ秒点灯、1秒消灯
;* 2:1秒点灯、100ミリ秒消灯
;* 3;200ミリ秒毎に点灯/消灯
;* 4:100ミリ秒で点灯/消灯、1秒で点灯/消灯の繰り返し
;* 5:100ミリ秒点灯/消灯を3回、1秒点灯/100ミリ秒消灯を3回の繰り返し
;* 6:100ミリ秒点灯/1秒消灯、1秒点灯/100ミリ秒消灯、100ミリ秒点灯消灯3回の繰り返し
;* 7:いわゆる三三七拍子
と、まあ、7種類のLED点滅パターンを行うという仕様です。
PIC16F84 LEDチェーン点灯の回路図
画像またはここをクリックすると拡大画像になります。
回路の特長は、典型的な基本回路だ。電源は単3乾電池×2個(3V)で稼働する。クロックはRC発振で約100KHz。ポートB7から点滅パターンを出力し、2SC1815でドライブする。ポート出力HIGHで点灯。LOWで消灯。トランジスタのベースにHIGH(5V)がかかり、「スイッチON」となり、コレクタ-エミッタが導通して、LEDのカソード側がアースに落ちて電流が流れ、LEDが点灯する。
プルアップしているポートA0を、プッシュスイッチでアースに落とすと、パターンが切り替わるしくみ。
PIC入門や電子工作入門の方にはうってつけの回路だ。汎用基板で組んでも約2時間ほど、慣れた者だと1時間以内でできあがる。エッチングしてプリント基板をつくると配線は20分ほどか。
今回は安物の汎用基板で製作する。
製作作業
部品のすべて
500~600円くらいで揃えることができる。
100均にはとてもかないませんが...
ハンダごてです。こて先は常にキレイに
配線が終わったところ
最後の仕上げ、線をチョン切る
皮をむいて線をよじっておく
もとの電池ボックスは別の用途にお使い下さい
これを使っても良いのだが...今から思えば...(^^;;
チョン切った2本の線を赤と黒の端子に接続する。
チョン切ったらLEDの極性がわからないので、点灯する方に入れ替えて試してみる
新しく用意した電池ボックス。
手前のレバーが電源スイッチになる。
アセンブラプログラム
プログラミングはU選手が担当した。
公開の許可が出たら(そんなたいそうなもんではないかもしれないが(笑))ここでダウンロードできるようにします。
LEDirm_a.asm
LEDirm_1.HEX
PICライターでPIC16F84にプログラムを書き込む。
完成した「100均製デコレーションライトをPIC16F84により点滅制御する装置」
部品配置(基板上から)
配線パターン(基板裏から)
実験終了
PICマイコンはアメリカMicrochip社の製品で、市場に登場してからかなり経つが、日本で普及し始めたのはここ最近だ。かつてのZ80マイコンなど、取り巻きが多く(周辺IC)、大がかりなマイコンシステムから見ると、実にシンプルな回路で動く。それだけに非常に多くの応用例が考えられる。知的実験室でもこれからどんどん発表していきます。
(kazu)