昭和33年当時の人気トランジスタラジオ NEC NT-620
ラジオはアメリカ・サンフランシスコから飛行機に乗ってやってきた。ケースのあちこちにカケやワレがあるがそこそこの状態だ。これも006P乾電池(DC9V)で動作する。スイッチを入れたら鳴った。どうもアメリカ人ってモノ持ちが良いらしい。イイことだ。物量の差もあるんだろうけど、モノを長年大事に使う人が多いんだろう。
状態は以下の通り。
■スイッチ付きボリュームの接触が悪く、鳴ったり鳴らなかったりする。スイッチのクリックが甘い
■音質は高音域が強く出過ぎている
■バーアンテナが中央でポキッと折れている(テープで補強していた)
修理可能だ。
↑ラジオのスペック
いかにも手書きって感じの緒元表が裏ケースの裏に貼り付けてある。
↑フタを開けて基板のようす
金属管式のゲルマトランジスタが6本。
検波ダイオードが白色を塗ったガラス管だ。SD34か?
IFTとOSCコイルは現在流通している7mm角のものと同様だ。赤が発振、黄、黒、白が中間周波用と基本に忠実だ。コアはロウで固定してある。NT61のような頑丈なものではない。
長いリード線の宙ぶらりん配線が多い。
プリント基板の設計が難しかったのか?コンパクトに収めようとして無理をしたのか?
↑基板の裏側
この時代の基板の裏側(ハンダ付け側)って結構リード線の配線が多くて混み合っている場合が多いのだが、このラジオは非常に少ない。部品の交換がやりやすい。
↑ケースと基板をバラしたようす
3本のネジをはずすだけでカンタンにバラせる。
NT-620 の修理開始
修理・レストアの方針として、
・まず折れているバーアンテナの修理
・劣化部品(特に電解コンデンサ)の新品交換
・SW付きボリュームの修理
・清掃
・IF、トラッキング調整など
まず、バーアンテナの修理から...
前オーナが、申し訳なく思ったのか、折れた部分をテープで補強してくれている。
フェライトコア棒を、コイルから慎重に抜いた。
折れた部分をキレイにクリーニングして瞬間接着剤を塗り固定した。
修理中ですが..忙しいのでちょっと中断
一気に修理完了までいきたいのだが、本業が忙しく、ここでちょっとおあずけ。
その間にバーアンテナも固まっているだろう。
(kazu)
NEC NT-620
V字型のダイアルが何ともレトロなムードが漂い、すごくイイ!