1kHzの正弦波をつくる~ぞろ目に決定
・前回は1kHzの正弦波が欲しくて、発振回路に翻弄されてしまい、結局のところ、簡単にタイマICを使うって結論になった。タイマICって言っても結局はアナログ発振回路な訳で、コンデンサの充放電を利用しているため、温度変化などで多少は周波数変動がおきる。
・それより気になるのが部品精度による再現性の問題で、コンデンサの容量誤差が発振周波数に直接影響を与える。そして、一般的なセラミックコンデンサの容量誤差って結構大きい。場合によっては-20%~+80%の誤差を許容する規格もある。 ・んで、何か良い方法はないかと、脳味噌を絞ると。。。そうだ、絶対に1kHzじゃなくても、その近辺で安定してればそれで良い訳じゃん。 前回完成した455kHz回路の信号をそのまま分周してくと。。。 227.5kHz/113.75kHz/56.875kHz/28.4375kHz/14.218kHz …そっかぁ、一個の74393だとこれが限界かぁ。 もう一個74393を追加してみるとどうだ? 7.1kHz/3.55kHz/1.77kHz/888Hz/444Hz/222Hz/111Hz/55Hz お゛、888Hzなんてゾロ目の周波数があるよ、これに決定だな。
・早速74HC393を追加して実験してみます。おっ、イイ感じで888Hzが出てますね。あとはコイツの高調波をとっぱらってやれば良い訳です。
・どうやるかって、そりゃぁフィルターかませるですよ。LCタイプが良いかなって思ったのだが、インダクタの入手性があまり良くない ので、ボツに。 CRタイプで試してみたが、一段ではあまり効かず、複数段組み合わせなきゃならない、それに減衰が大きすぎる。 ・さて、困ったな。。。
正弦波を作る~オペアンプの選定~uPC358, uPC842
・オペアンプ使ってみるかな。CR積分型を試してみたが、やはり数段は組み合わせなきゃ駄目っぽい。ちょっと捻った回路で電圧ソース型フィルタってのがあるので試してみた。
・結果は概ね良好、使ってるオペアンプの出力段がC級動作の為クロスオーバー歪みが盛大に発生して、スパイク状のノイズが混入してしまっている。 だみだ、これじゃ。 やっぱりuPC-358は電源用途が一番ですな。
・置換が効く石を探してみると、uPC-842が出てきたので早速差し替えてみる。出ましたよ、綺麗な正弦波が。
勢いで変調回路も完成!っと..
・これなら納得出来るかな、やるじゃんオペアンプって。だけど、1/2回路しか使ってないんだよな、残りを遊ばせておくのも勿体ないな、何かに使えないないかな。
・そうだ、バッファーにして、出力を455kHzのバッファートランジスタのコレクタ電源にすれば変調回路も完成するじゃん。
・下の回路図が、前回から変更&追加した回路、これだけで455kHzの信号発生と888Hzの矩形波、正弦波、455kHzに変調をかける事が可能です。
【注意】↑↑上記は最終完成回路図ではありません。次の記事「やっぱり気に入らない(PJ.01.2)」記事をご覧下さい。
・完成したので、波形を見てみます(↓)。 上段が455kHzの信号で、下段が888Hzの信号、無変調時はこんな感じ。
・ちょっと変調をかけてみます。おぉ、夢にまで見た振幅変調ですよ、ダンナ!
・更に変調を深くしてみます。なんか良い感じじゃないっすか。
・時間軸を拡大してみます。
・限界まで変調をかけて…あ、あれれれ。上側の山が潰れてしまっています、オペアンプのプラス側出力が サチっちゃてるんですね。 電源電圧が5Vですから、中点は2.5Vに設定してるんですが、もう少し中点を低い方向にセットすれば改善すると思われます。 ・通常AMラジオって30%変調で調整するので、これだけかかってれば30%以上は行ってそうなので、これでヨシとします、いじりたい方は回路図見ればどの抵抗をいじれば良いか判ると思いますのでチャレンジしてみてください。
455kHz発振回路(変調付き)は完成!~今後のロードマップ
・本業の合間にやった手悪さなので、思いの他時間がかかってしまいました。取り敢えず、455kHzの基本セットはこれで完成です。
・トラッキング調整用の回路はオプションとして、これから開始します。目標仕様は、出力可能周波数:12MHz、4MHz、1500KHz、600KHzとし、 短波&中波ラジオのトラッキング調整に使える信号を出す事です。 ・手悪さプロジェクト、まだまだ続きますよ、中にはとんでもない失敗をやらかすかもしれません、冷ややかに見守ってくださいね。
(ken)