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ラジオのテストオシレータを作ろう~1kHz発振回路編~

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ラジオの調整発振器が欲しい!! ~プロジェクト発足のきっかけ~

・ラジオをいじくっていて、何が楽しみって最後の調整が一番楽しい。調整ひとつで、感度を左右するし、場合によっては異常発振機に成り下がってしまい手に負えず折角の苦労がゴミ箱行きorz…なんて悲劇になりかねない。

・今までの経験を振り返ってみると、トラッキング調整を失敗しても精々感度が悪い程度で済んでしまう様な気がする。問題なのはIF調整で、ラジオキットのマニュアルには『なるべく高い周波数の微弱な放送局を受信してIF調整を実施します』とか書かれてる。 ・言葉通りに実践して成功した例が殆どなのだが、正確に455khzに調整出来ている保証はどこにも無い。場合によっては低い周波数帯でビート音が混ざったり、発振気味になってしまったりする場合も多い。

・よせばイイのに色気を出して再調整なんて事をやりだすと、無限のドツボ 地獄にはまりこんでしまっりする。ちゃんと測定器具が揃ってない場合は無茶しないのが一番だって事に何台かをゴミ箱送りにしてから気が付く訳ですな。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・そこで懲りない素人は思い立った訳です、そうだテストオシレータを作ろうって。一般的な中波ラジヲを調整するには、必須の455kHzと、600kHz&1400kHzの信号が欲しいな。あと、変態 変調機能もあれば便利だし、ちょっと考えてみっぺ。

まずは1kHz正弦波発振器から~CR位相型回路~

・まずは低周波の発振回路から。どうせなら綺麗な正弦波が良いな、周波数は標準的な1kHzでイイや。正弦波得るにはウイーンブリッジ回路が一般的なんだけど、テスト用の信号源にオペアンプ使った回路ってちょっと勿体なくないか?あんまり大袈裟な回路も嫌だから、CR移相型の一石発振回路を試してみるかな。あちこちの教科書に掲載されてるから、きっと実績があるんだろうな。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・で、こんな回路を試作してみた。電源電圧は5Vで、スイッチオン!ぁり?ピクリとも動かないじゃん。おっかしいなぁ、何が気に食わないんだろ。電源電圧を10V位まで上げて、やっと発振しだした。が、波形が汚い、どう見ても正弦波なんかじゃない、こりゃバイアスの調整が必須だな。

・で、バイアスを調整して5Vで動作する様にセットしたのだが、どうにも不安定で、電源電圧の変動に非常に敏感だ。0.5V変動しただけで、発振が止まってしまう。これじゃ温度変化にも相当敏感な筈、だみだ、使い物にならないや。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

ツインT型回路

・CR移相型が思わしくないので、他に簡単な回路はないかと物色した結果、ツインT型って回路が候補にあがった。 早速試してみた。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・こいつはあっさり発振してくれたのだが、やっぱりあまり綺麗な波形ではない。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・色々つつき廻してやっと上記回路の定数に決定し、それなりの波形が得られた。電源電圧が5Vだと、下側が少々潰れ気味になる、コレクタ抵抗をもう少し小さめにすれば解消すると思われる(ch-1が電源の波形、ch-2が発振回路出力)。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・そのまま電源電圧を下げていくと、4.5V以下では綺麗な正弦波になっているので、この領域で使えば問題なさそうな感じがする。更に電圧を下げて、最低動作電圧を調べてみると、2.8Vを少々切ったあたりで発振が止まる。

・単3乾電池二本動作を目標にしてるんだけど、これじゃ少々キビシイなぁ。せめて2V付近まで動作して欲しい。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・2V付近迄動作する様に回路定数をいじると、正弦波を出す電圧範囲が狭くなってしまい、電源電圧を3Vにした場合、バイアスの再調整が必要になってしまった。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

・う~ん、悩ましいなぁ、どうしてくれようか。。。 正弦波の他に矩形波も欲しいってハナシも出てきてるしなぁ。コンパレータで波形整形して、矩形波作ればイイんだけど、、、結局オペアンプやコンパレータ使う事になっちゃうじゃん。

※インバータ等のロジックICに直接正弦波入れると矩形波が得られますが、最近のロジックICは動作速度が速い(数十Mhzまで動作する)ので、1kHzなんてハエが止まる様な遅い信号を入れるとHysteresis電圧付近の動作が不安定になり、波形の中間レベル付近で高周波発振を起こす事がある為、結構な工夫が必要だったりします。

ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~1kHz発振回路編(PJ.01)

次回の課題~タイマーIC 555~

・さて、どうしたもんかな。 簡単確実で、なるべく調整不要を目指したい訳で。そうすると、一石の回路は軒並み不合格って事になっちまいますね、バイアス調整が必須な訳ですから。

・矩形波も欲しいって要求が出てきたんで、先に矩形波作ってフィルターかませるって手もアリだな。インバータやバッファIC使った回路が簡単で確実に発振するけど、安定性って意味ではタイマICの方が良いよな、よしっ555を使おう。 バイポーラタイプの標準555は電源電圧が最低で4V必要なのだが、c-mosタイプの555ならば1.5Vから動作可能なので、c-mosタイプを使う事にします。

・555使った発振回路とフィルターはこれからのお楽しみです、よ。

(ken)

目次~8回シリーズ~

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