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ラジオのテストオシレータを作ろう~455kHz発振回路編~

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2回目は455kHz発振回路です

・思わぬところでつまずいた、1kHzの簡単発振回路。アナログ回路の難しさを痛感させられ、良い勉強になった訳だが。それに懲りずに今度は高周波回路に行きます。

・455kHzを簡単に得るには自励式発振回路の他にセラロックを使った回路等が教科書やWebのあちこちに落ちている。LC使った自励式回路は、本当に455kHzを発振している保証がないから簡単だけど却下。セラロック使った回路はLC方式より数段安定性が勝る。

・けど、手元にプログラマブル水晶発振器があるので、コイツを応用して回路を検討してみたい。仕様では最低発振周波数が1.25MHzとなってるので、直接455kHzを書き込む事は不可能、二倍の910khzも無理。んだば、四倍の1820kHzを書き込んで四分周すればOKじゃん。

節約型部品調達法~知的電子実験風100円ラジオの効用

・そんで、IFT通して455kHzの正弦波にして。その前にIFTを調達しなきゃいけない訳で、ジャンクの百円ラジヲからIFTを調達します。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・良かったねぇ、キミ達また役に立つ事が出来て。そうでなきゃいずれゴミ箱に行く運命だったんだよ、、、なんて呟きながら部品を外して行きます。それにしても無駄にハンダ盛ってあるなぁ、有害物質なんだから必要最低限にしないと…そんな意識持ち合わせていないか、キミ達の生まれた国は。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・先に小物部品を剥がしてしまいます、残るはOSCコイルとIFTのみ。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・二台分の百円ラジヲの部品、国内でこれだけ調達して二百円なんて絶対に不可能と思われます、恐るべしC国。。。

(編集注)ダイソーから消えたあの100円ラジオ..今となっては”貴重品”。なんと勿体ない(笑) それにしても綺麗に分解したなあ... (kazu)

水晶発振器+デジタルIC(74シリーズ)+LCで正弦波を作る

・隣国の脅威はさておき、基本となる回路を検討します。基本周波数は455khzの四倍か八倍として、カウンターで分周します。分周回路の性質上二のn乗以外の分周をすると、波形のデューティ比が崩れますので奇数が含まれる分周比は検討しない事にします。 ・部品の在庫を調べて見ると、74HC393があったのでそれを使います。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・組み立て後、各部の波形をチェックします。これはプログラマブル水晶発振器の出力です、455kHzの八倍にあたる3640kHzを書き込んでいます。 ・立ち上がり/下がりが速すぎて、反射を起こしていますし、電源にまでスイッチングノイズが乗っています、こりゃダンピング抵抗が必要です。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・1kΩのダンピング抵抗を入れた後の波形です、反射が綺麗に収まっていますね。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・74HC393の出力波形、455kHzを出力しています。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・この信号で黄色のIFTを駆動するのですが、振幅が大きすぎるのでとりあえず1kΩで様子を、、、ここで共振回路の恐ろしさを体験する事になるとは思ってもみませんでした。

・IFT一次側の中和端子をプローブで当たってみたら、何と。20V以上の電圧が出てるではないですか。これは、誰がどう見たって過励振です、レベル落とさなきゃ。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・カットアンドエラーの末、47kΩを入れる事でまぁ、納得出来るレベルに 収まりました、これだけの抵抗を入れてもしっかり信号が出てくるって 恐るべし共振回路、、、ってか、一次側の公称インピーダンスとほぼ同じ値で しかるべき結果と言えばそれまでなんですが。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・バッファの2SC1815のコレクタ波形がどうも気に入らない、歪んでる様に見える。バイアスを調整でコレクタ電流は変化するものの、波形の歪みがどうやっても取れない。

・良く観察すると下側がクリップしている、ぁあ、ベース電流流しすぎだわ。ベースに10kΩを入れる事で綺麗な波形に落ち着いた。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

455kHz発振回路の完成

・最終的に、回路図の定数に落ち着き455kHzの正弦波を得る事が出来た。
さて、、、減電圧特性はどうかな。電源電圧を落としていくと、出力振幅が小さくなるのは仕方無いとして。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

3V迄落としても、ちゃんと周波数&正弦波を保っています、結構イケルな。(ch-1が電源、ch-2が発振回路出力) ・1.5Vでも動作してます、やるじゃん。乾電池一個で動作するなんて結構すごいと思う、ぞ。最終的に1.4V付近で動作停止しました。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

・455kHz回路はこれで完成だな、残るは変調回路か。コレクタ変調とベース変調のどっちにしようか、現在検討中、簡単な方法をとりたいと思っています。

・まだまだ妄想と実験は続きます、よ。

■ラジオのテストオシレータを作ろうプロジェクト~455kHz発振回路編(PJ.02)

(ken)

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