変調回路を改善する
・前回で基本部分は一旦終了にしようと思ったのだが、やっぱり気に入らない虫が疼き出してまい、少々いじってみた。 何が気に入らないって、変調度が上がらない、折角のコレクタ変調な訳だし、オトコならバリバリの過変調で”了解しましたぁ~”ってやりたい キチンと追い込みたい訳ですよ。
ちょっと改造してみる..
・原因は二段目のオペアンプの出力振幅にある。 よーく調べてみると、正側は4.0V付近でサチってるのに対し、負側はほぼ0Vまで正しく振れている。しかし、無信号時の中点電圧は2.5Vだから、正側のマージンが少ない事がわかる。
・オペアンプのバイアス抵抗を調整すれば良いのだが、配線が混み合っていて、いじる気になれない。
・ちょっと横着な改造してみよっかな、どうするかって言うと。。。
・どうですか、簡単っしょ。 どんな働きがあるかっつーと、抵抗が入る事で、トランジスタのコレクタ電圧が直流的には470Ω分下がります。よって、高周波出力は少し低下します。 が、並列にコンデンサが居るため、変調信号となる888Hzの成分は、1/(jωc)のインピーダンスと470Ωが並列合成されたインピーダンス分しか減衰しないで、コレクタに加わります。
・見かけ上、AC成分はそのままに、DC成分が低くなる訳で、変調度がアップする訳です。
・ところが、、、 元々の出力が非対称な波形による事が原因なので、変調度はあがるが100%を越えるところまでいかない、あとちょっとなのだが90%位が限界だった、思う様に行かないのねぇ。。。
バイアス回路を改善する
・しょうがねぇなぁ、バイアス回路いじるか。 さわりたくないんだよなぁ部品が混み合ってるから( <- 自分で小さく作った事はすっかり忘れてる)。
・オペアンプの中点電位を決定する回路の抵抗分圧比を変化させて、中点電位が2.0V付近になる様に設定しなきゃいけない。
・計算自体は大した事なく、オームの法則を知っていればOKだと思う。最初の設定では、10kΩ+10kΩで分圧していた。中点電位を求めるには、まず回路に流れる電流を求める。次いで、求めた電流に電圧を知りたい側の抵抗値を掛け算すれば求める事が出来る。
・例えば、5V – 10kΩ+8.2kΩ – GND って回路になっていて、10kΩ+8.2kΩの接続点の電圧を求めるには。。。 全体には… 5[V]/18.2[kΩ]=274[uA]の電流が流れます。求めた電流に知りたい側の抵抗値を掛け算すると。274[uA]x8.2[kΩ]=2.25[V] の電圧が発生する事になります。
・ねっ、簡単っしょ。 そんな訳で、結局6.8kΩに決定、交換します。 あ゛~面倒くせぇ。。。 ・抵抗を交換後、波形を観測してみます。無信号時は、1.96V、ほぼ計算通りですね。
・これなら、上下の対称性も改善されてる筈、どんだけSwingするかな。下側はほぼ0V、上は3.96Vまでキレイに振れています。
・被変調波はすでにバリバリの過変調状態になってます。長距離トラックの違法CB顔負けですよ、これは。
・過変調状態の波形を見て悦に入っていても仕方ないので、ほぼ100%変調と思われる波形を確認します。
完成間近!~減電圧特性を確認しておく
・お゛~、イイ感じですよ、やっと納得出来る結果が出たなぁ。あとは、減電圧特性を確認しておきます。 ・乾電池動作を意識していたのですが、オペアンプを使用してしまったので、減電圧特性が非常に気になります。5.0Vでは問題なくても、DC4.5Vで動かねぇ!って言われたら困りますから…ね。
・まずはDC4.5V、若干出力レベルは低下しますが、動作しています、DCレベルが下がる為過変調状態になっていますがOKっす。
・DC4.0V、やっぱり過変調状態ですが、動作しています。
・DC4.0V、やっぱり過変調状態ですが、動作しています。
・DC3.5Vあたりでなにやら異変が起きました。変調波形が変です、ぐちゃぐちゃです。
・ま、これは仕方ないですね、オペアンプの限界です。36Vまで印加可能なオペアンプを3.5Vで動かして、まともな動作期待する方が無茶ってもんですぜ、ダンナ。
・そのまま電圧を下げて行くと、低周波段は脂肪しますが、455kHz回路は動作を継続し、2.0V付近まで455kHzを出し続けました。
・徐々に電圧を下げていくと、3.5V強の電圧まで正常動作する事が確認出来たわけですが、へたった電池を使った場合の事を想定して、正常起動する最低電圧を確認しておかなければなりません。この結果はあまり芳しくなく、正常起動する最低電圧は約4.2Vでした。
・よって、乾電池による4.5V動作は可能ですが、電池の消耗に注意して欲しいです、可能であればDC4.5V~5.5Vの範囲で使って欲しいです。
・気になる消費電流ですが、DC5.0Vの状態で17mA程度、小音量で聴くラジオ程度又は、ダイソーの100円ラジオ並かそれ以下です。
455kHzオシレータ(888Hz変調付き)の回路図
・最終的に定数を変更した回路図は以下です。きっと誰でも作れると思います。 完成回路図は次回です。
(ken)