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通信型受信機~TRIOトリオ9R-59DSレストア日誌~その2

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9R59DS

かなり久しぶりの続編

TRIO 9R-59DSレストア日誌と題して、その1を書き、「その2に続きます」を言って早5年以上経ってしまった。その間も無線ラジオヲタクぶりは衰える事無く、むしろヒートアップする一方で、ついに本業にしてしまった。

局発不良を修理した9R-59DSは嫁入りし、その後何台もの9R-59D、9R-59DSが私の脇を通り過ぎて行った。それらに共通して”鼻に突く事”いや”耳に突く事”は、音の悪さだ。

9R-59DS

そうだ、受信音がコモって聞こえるあの音である。2個のメカフィルの仕業だ。と言っても、カタログ上の選択度が、±5kHzで-50dBだから仕様通りではある。3本組通信用IFTの約半分の帯域だから、AMの音がコモるのは当たり前だ。気になるのは、9kHz間隔で放送されている中波ラジオ(MW)だ。5kHz間隔の短波放送は、送信機側で帯域を絞っているためか、さほど気にならない。SSB/CWは快適だ(当然だが)。

長年頭の隅にこびり付いていた”音がコモる”問題解決の試みの一つとして、メカフィルのトランジスタ用IFTへの換装実験を、レストアマニュアル制作を機会に試して見たので紹介したい。

具体的にどうするの?

大枚はたいて、やっとの思いで手に入れた愛機(9R-59D、9R-59DS)だ。できる限りオリジナルのままにしておきたい、もし失敗しても元の状態に戻せなければやりたくないと考えるのはごく自然な人情だ。

幸い9R-59D(9R-59DS)はキット製品だ。ユーザが容易に手を入れられるように配慮されている。設計された高田OMの著書や、トリオの取扱説明書にも、ユーザの改造や改良実験を推奨する文面が見られる。

今回は、2個のメカフィルを、市販のトランジスタ用IFTへ換装して、AMの音がコモる問題を解決する試みた。回路が同じなので、9R-59Dでも9R-59DSでも全く同様に行える(以下9R-59D(S)と表記)。

9R-59DS
シャーシ上のプリント基板の一つ「中間周波段基板」をいったん取り外してから、メカフィルとマッチングトランスを取り外して、10mm角のトランジスタ用IFTを取り付ける。パターンと配線を変更して、プリント基板をシャーシに取り付ける。メカフィルもマッチングトランスもプリント基板の穴はトランジスタ用IFTと同じなので便利だ。

この作業は、プリント基板をシャーシに取り付けたままでも出来ない事は無いが、配線ミスを犯す可能性があるので注意が必要だ。

9R-59DS

回路の説明

9R-59DS

改造は、中間周波段基板にある中間周波増幅回路のみ。東光の10mm角メカフィルと10mm角のマッチングトランスの穴をそのまま利用して、2個のトランジスタ用IFT(10mm角)に差し替える。IFTの1次側同士を10pFのセラコンでつなぎ、静電誘導型IFTとして動作させる。
容量は要調整。2pF程度だと感度が悪い。市販のトランジスタ用IFTは、100V(ACかDCか不明)の耐圧を試験しているので一応使えそうだ。2次側は使用しない。IFTの種類は、どのみちインピーダンスが合わないので手持ちのものを使用した。(初段に黄色、中間段に白を使用)。周辺CRの定数は変更無し。

改造作業

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9R-59DS

 

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