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落下済~プロによるハードディスク解剖実験

・机の下にある部品箱を物色していたら誤ってHDDを床に落下させてしまいました。
 落下させたHDDは2GBのスカ爺SCSIの3.5インチ、まだ動作するので"処分しなきゃ"と思いながら
 部品箱の肥やしになっていた物です。
・30センチ位の高さだったのでひょっとしたら大丈夫か?と思いSCSIカードに接続して電源を入れてみました。
 SCSIBIOSにはしっかり型番が認識され、DOS上から"fdisk"コマンドも受つけます。
 しかし区画を作成しようとすると…デバイスを見に行ったまま戻って来ません。

・やはり何らかの異常が起きている様子、物理フォーマットを試みようとすると...

 Check ConditionとUnit Attentionが出てます、だみだ、こりゃ。

・いずれはゴミ箱に行く運命、しかしこのまま捨てるのもなぁ。
 せめて最後に華を持たせてあげましょう(約束の分解開始です)。
・こいつは隠しネジが二カ所あって、ラベルで隠されています。

・後は見えてるネジを緩めるだけでカバーが開きます。
 製造年月が"1994-06"って事は今から11年前ですよ、旦那!
・当時2GBって言ったら最先端の大容量HDDだった筈なんですが、
 今じゃ誰も見向きもしませんね。
 時代の流れは恐ろしいもんです、数年後は私もそうなるんだろうか(寒っ!)。

・ちょっと古い時代のHDDなので現在の物とは形状が少し違います。
・回転する円板があってヘッドが組み合わさるってのは同じなのですがヘッドを 駆動するVCMの磁気回路の形状が違います。
・円板の表面が少し荒れているように見えませんか?回転するからヘッドと接触 して摩耗した痕跡だろう?…違うんです、わざと付けているんです。
 理由はCSSを容易にする為と、吸着防止が主たる目的ですが、面粗さとBPIは 相反する為、各メーカーとも苦労したようです。

・当時は面密度(BPI)が今ほど進化していなかったんで、円板を8枚積層して使って
 います、それでも2GBです、くどい様ですが当時最先端だったんです。
・サーボ制御も当時は"面サーボ"と呼ばれる方式で、サーボ専用に1面とヘッド1個
 を使っていました。媒体枚数が多かったんで当時はそれでも良かったんです。

・気になる円板の縞々模様と、ヘッドの拡大です。
 この縞々模様、テクスチャ加工と呼ばれます。
・アームの先端部分にヘッド素子がついていて、こいつがデータの 読み書きをします。

・ヘッドのアームを無理矢理ひっくり返してみました。
・ヘッドクラッシュでNGになったHDDはヘッドの表面が傷ついていたり ヘッド自体が飛んで無くなったりします。
 このHDDは直前まで健康だったようですが、私がトドメをさしました。
・このドライブは4400rpmで円板が回転します。そしてヘッドはその表面 10nmm(0.01umm)の所を浮上しています。

・やはり10年選手のHDDに30センチの高さとコンクリートの床は過酷だったようです。
 "HDDは衝撃に弱い"って通説を身体をはって見事に実証してくれました。
・最近のHDDは色々対策されて衝撃にも強くなってきていますが、所詮精密機械と電子部品の
 集合体、限度ってものがありますので取り扱いには細心の注意をして欲しいと思います。
・2.5インチ/1.8インチなど小径のHDDはモバイルを意識して3.5インチ以上に衝撃対策をしており
 ますがやはり機械なので取り扱いは優しくして欲しいと思う次第です。
動作中、保存中を含めて、振動、衝撃は厳禁、結露させない、急激な温度ストレスを与えない、静電気(ESD)に注意、動作中は通風(冷却)を良くする、分解などもってのほかです。

・以上、HDD落としちゃった事件でした。

(ken)