・最近はSerial ATAも普及しつつあり、GEN2の3.0Gbpsに対応したドライブも徐々に見かけるようになってきました。Serial ATAのドライブやホストの特性を測定するには、Serial
ATAコネクタをSMAやBNCコネクタに一旦変換してから測定器に接続する事になります。
・無線の世界では一般的なN型コネクタはあまり使われないです、扱う電力が大きくなって来ると使います。
・で、今回はマッチングのお話(お遊び)を。
↑Serial ATA -> SMA変換アダプタ
購入すると驚く程高い値段します、こんなモノが六桁はしますぜダンナ。
こんな感じで使います。
こいつが問題児↓
・よーく見ると、等長じゃないのよねぇ伝送路が。プリント板部分でのインピーダンスの乱れもあるしなぁ
・肝心の周波数特性も確認してないし…、いっちょ確認してみっか。
ネットワークアナライザの登場です!!
・ネットワークアナライザにかけてみてびっくり、え゛?マジ?
・この測定器、上限は20Ghzまで見れますが、恐いので100Mhz -> 5100Mhzのスパンだけ見ます。
↓細かい事は省いて、わかりやすいSWRだけに してみると、こんな感じです。
・50Ω終端してるんで、全域で1.00ってのが望ましいんですが、結構な反射が起きてます。
ならば作ってしまえ!
って事でSMAコネクタを探して来て半田付けしてみます。
↑中央が第一段階、90度で半田付けします。
↑Serial ATAコネクタを付けて、ホットボンドで固定した完成品が左の塊。
↑最大3あったSWRが全域で改善しています、まずは成功かな。
愕然...
↑インピーダンスを測ってみて愕然、途中180Ω近くまで上がってる場所がある。
・思い当たる場所はSMAコネクタの絶縁物がない部分、インピーダンスを決定するd1/d2の比が崩れてしまっている事によります。
・回路はDiffrentialモードの50Ω終端なので、100Ωと見えるのが理想的な状態です。
インピーダンスの整合
・○部分がインピーダンス整合の為に追加した部分
・Serial ATAコネクタ直前までd1/d2の比を保ってあげれば良い訳で、中継コネクタをぶった切って(乱暴!)半田付けします。
↓完成品がこれ。
↑インピーダンスのピークも130Ωまで改善したし何とか使えるレベルかな。
↑こんな感じで測定します。
↑被測定物の小さなこと…。
・ネットワークアナライザにかけると…、おぉ凄い!100Mhz -> 5100Mhzまで1.513以内に収まってる。
あんな数ミリの違いがこんな差になるなんて…。
無事実験終了~高周波の基本ですね(^^)
・以上、当たり前と言われればそれまでの、実験だったんですが、周波数が高くなると恐ろしい位にクリティカルに効いてきますね、物理的形状が。
・やはり高周波は太く短くが基本で、後はマッチングです。興味のある方はモガミ電線(Mogami Wire)さんのWebページを覗いてみてください。伝送路に関する情報や、クイズなどあり、とってもインテリジェンスを感じます。
(ken)
モガミ電線リンク切れしてました。失礼しました。
(2017.09.08 kazu)